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Credit:川勝康弘
psychology

SMの「夢を夢で終わらせない人」にはある特徴があった

2025.08.29 17:30:50 Friday

ベルギーのアントワープ大学(University of Antwerp)で行われた最新の研究により、BDSM(日本では一般に「SM」と呼ばれる)を実際に実践できる人たちは、実践できない人たちに比べて、人間関係における愛着の不安が少なく、より安定した心理傾向を持っていることが分かりました。

ここ最近になってBDSMの実践者の心理について似たような研究結果が相次いでおり、BDSMが非常に高い社会スキルや心理的安定性を必要とする高度な技能である可能性がみえてきました。

しかし、なぜ心理的に安定した人ほど、このような特殊な世界に踏み込むことができるのでしょうか?

研究内容の詳細は2025年7月1日に『Psychology & Sexuality』にて発表されました。

Associations of BDSM fantasies and practices with insecure attachment styles https://doi.org/10.1080/19419899.2025.2527641

空想と実践の間にある壁

空想と実践の間にある壁
空想と実践の間にある壁 / Credit:川勝康弘

日本で一般に「SMプレイ」として知られている用語は、性科学の世界ではBDSMと呼ばれています。

これは「ボンデージ(拘束)」、「ディシプリン(しつけ)」、「ドミナンス(支配)」、「サブミッション(服従)」、「サディズム(苦痛を与えること)」、「マゾヒズム(苦痛を受けること)」など複数の言葉の頭文字を組み合わせた略称です。

つまりBDSMとは、縄などを使った拘束や、パートナー間での支配や服従の役割分担、痛みを与えたり受けたりすることを含む、特殊な性的または心理的なプレイを総合した言葉です。

この特殊性のため、BDSMに興味を持つ人々に対して、「心に問題がある人がすることでは?」、「子どもの頃にトラウマがあるのでは?」というネガティブなイメージや偏見が持たれがちでした。

しかし近年の科学研究は、このイメージが実は正しくないことを徐々に明らかにしています。

たとえば、BDSM的な空想(こうした刺激的な行為を想像すること)自体は、約65~69%の人が、一度はしたことがあると報告しています。

この結果が正しければ、BDSMは人類の過半を大きく超えたかなりメジャーな嗜好と言えます。

一方で、その行動を経験したことがある人は、それよりずっと少なく、2~17%程度、一部の調査では8~12%程度と報告されているのです。

つまり、多くの人は空想の段階にとどまり、実際に行動に移す人は非常に限られていることになります。

ちょうど観覧車に乗ってみたいと多くの人が思うけれど、実際に乗る人はそれほど多くないのと似ています。

実際に乗るとなると、待ち時間や安全の確認、何より一緒に乗る相手への信頼など、乗る前にクリアしなければいけない条件が多いのです。

こうした現状をふまえ、ベルギーのアントワープ大学(UAntwerp)の研究チームは、BDSMへの空想を実際に行動に移せる人と、空想にとどまる人とでは何が違うかを調べることになりました。

夢(SM)を実現させる人たちには、どんな秘密があったのでしょうか?

次ページ夢を夢で終わらせない力はどこからくるのか?

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