画面の一部が自由自在に浮き上がる「新・触覚ディスプレイ」開発
タッチスクリーンは、表示内容を自由に変えられますし、部品点数も減らせます。
スマートフォンはもちろん、券売機、家電の操作パネルなど、身の回りの機械が一気に“平らな画面”へ集約されました。
ただその一方で、タッチ操作が増えたからこそ「物理ボタンの良さ」も目立つようになりました。
物理ボタンには、触っただけで位置が分かり、押し込んだ感触で操作結果を確かめられる強みがあります。
視線を向けなくても指先の感覚で操作しやすいのです。
この点が重要になる場面の一つが、車のダッシュボードや車載タッチパネルです。
走行中は画面をじっと見るのが難しいため、分野によっては物理ボタンを見直し、復活させる流れもあります。
では、タッチスクリーンの柔軟さと、物理ボタンの分かりやすさを両立できないのでしょうか。
その答えとして昔から試みられてきたのが「触覚ディスプレイ」です。
ところが、触覚を細かく表現しようとすると、ピクセル(突起)を大量に並べて、それぞれを動かす仕組みが必要になります。
ピクセル数が増えるほど配線や制御が複雑になり、装置が大きくなったり、動作が遅くなったり、作りにくくなったりしがちでした。
今回、UCSBの研究チームが示したのは、こうした難しさを別の方向からかわす新しい触覚ディスプレイです。
画面に小さな「触れるピクセル」を並べ、光を当てた場所だけが一瞬盛り上がります。
重要なのは、この盛り上がりを作るために、各ピクセルへ細かな配線を引き回して駆動するのではなく、投影した光で“どこを動かすか”を指定できる点です。
では、どうやって光によってディスプレイ上に触覚を生み出すのでしょうか。次項で具体的に解説します。




























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