・「星雲」とは、星が一生を終えるときに放たれる色鮮やかなガスのかたまり
・その「輝き」については、星の「質量」が影響を与えると考えられてきた
・新たな理論に基づくシュミレーションによって、質量が違っても星雲は同程度に輝くことが確認された
星は、その散り際こそ美しいことを知っていましたか?
新たな理論に基づくシミュレーションにより、小さな星であっても、その死に際に「輝く星雲」を創り出すことができる核をもっていることがわかりました。科学誌 “Nature Astronomy” が7日、オンラインで研究を公開しています。
https://www.nature.com/articles/s41550-018-0453-9
「星雲」とは、宇宙空間に漂う宇宙塵などから成るガスのこと。星雲はカラフルな色を織りなし、観るものを魅了します。ハッブル宇宙望遠鏡においても、たとえば「蝶の形」など、その美しい姿がとらえられています。
星雲が「どのような輝きをみせるのか」については「星の質量」が決めると考えられていました。つまり、質量の大きな星がより輝く星雲を形成し、質量の小さな、たとえば太陽のような星がつくる星雲は、他の銀河からは確認できないほどかすかなものであると思われていたのです。
しかし、実際の観察結果はその仮説とは一致しませんでした。小さな質量の星が集まる銀河の星雲が、大きな質量の星から成る銀河におけるものと同じくらいに光り輝いていたのです。この事実は、天文学者にとって長年の謎でした。
そこに、星の一生に関する新たな理論が展開されます。その理論では、小さな星がその一生を終える際にガス領域を作り出したあと、考えられていたよりも速く核がヒート・アップしているとされたのです。その理論が正しければ、小さな星であってもガスが遠い宇宙へ拡散してしまう前に、核が「輝く星雲」を創り出す強い放射線を放つことが可能となります。
この新たな理論に基づくシュミレーションにおいては、太陽の1.1-3倍の質量をもつ星々が、同程度の輝きを放つ星雲を形成することが確認されました。ペンシルベニア州立大学の天文学者ロビン・カダーロ氏は、これが宇宙における「星雲の謎」を解き明かすための重要なステップであるとして、研究の重要性を語っています。
ここで残された謎は、天文学者が実際に宇宙において確認する星雲の数はシュミレーションよりも多く、その数が完全にマッチしないことです。この宇宙のいたるところで観察できる美しい星雲について、私たちが全貌を明かす日がくるのはまだ先のことになりそうです。
via: sciencenews / translated & text by なかしー
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