ネガティブなラベルは「味覚を研ぎ澄ます」のに役立つかも
ネガティブなフレーズは、確かにクッキーの評価を下げました。
この結果は、次の疑問を生じさせます。
「ネガティブなフレーズによって得られた評価は、製品の実際の欠点を明らかにしているのか、もしくは単なる想像上の欠点なのか?」という疑問です。
この点、研究チームは、「ラベルが味覚すべてに影響を与えるわけではない」という結果に注目しています。
例えば、クラッカーに「クレームあり」のラベルを貼っても、塩味、色、香りなどの評価は影響を受けませんでした。
またチョコチップクッキーの場合は、色、チョコレートチップの量、チョコレート風味などの評価が、ラベルの影響を受けなかったとのこと。
これらの結果は、ラベルによって「人の味覚が狂うわけではない」ことを示唆しています。
そのためチームは、「ネガティブなラベルが、人の感覚を研ぎ澄まして隠れた欠点を見つけるのに役立つ」という可能性を見いだしました。
もしかしたら、発売前の消費者テストに「ネガティブラベル入りの試食」を含めることで、従来のテストでは気づけなかった欠点を明らかするかもしれないのです。
低評価コメントの影響を受けづらい「完成度の高い商品」を生み出すことも可能でしょう。
とはいえ今回の研究だけでは、まだ確証には至っていません。
そのためチームは、もっと大規模な実験を行って同じ結果が得られるか試したいと考えています。