課題を克服した「量子重力センサー」が開発される!
量子重力センサーは、量子物理学の原理を利用した超高感度な計測器です。
原子を自由落下させた際の微妙な変化を測定することで、僅かな重力の違いを検出できます。
とはいえ、量子重力センサーも振動や機器の傾き、磁場や熱場の影響を受けてしまいます。
超高感度ですが、それゆえ環境ノイズに弱いことが大きな課題となり、これまで「実用化は難しい」と考えられていたのです。
しかしチームは今回、新しい設計を導入することで、課題となっていたノイズ除去に成功したのです。
実際、野外で新しい量子重力センサーを試したところ、地下約1mにあるトンネルを確認できました。
量子重力センサーが、環境要因の少ない実験室の外で成果を収めたのは、これが初めてです。
研究チームは、「従来の方法よりも信頼性が高く、安価で、10倍はやくなる」と述べています。
これまで1カ月かかっていた調査を、僅か数日に短縮させることも可能なのです。
新しい量子重力センサーが製品化するなら、建設・探査などの作業が一気に加速するでしょう。
将来的には、「火星など、太陽系の他の惑星の内部構造を調査するのに役立つ」と言われています。
量子技術を運用するなら、惑星でさえ内部まで丸裸にできるのですね。