植物にも麻酔が効いてしまうらしいです。
え?と思われたかもしれません。「植物って何かを感じたり動いたりするの?」と、普通は思いますよね。
それに、植物で麻酔の研究をすることが、私たち人間に麻酔が効くその仕組が解明できるかもしれません。意外ですが、麻酔ってどうして効くのか分かってないんです。
https://academic.oup.com/aob/advance-article/doi/10.1093/aob/mcx155/4722571
植物が麻酔で動かなくなる
麻酔と聞けば、おそらく痛みを和らげてくれる作用を思い浮かべると思います。でも、その不快感を打ち消すという単純な作用とはうらはらに、この複雑な化学物質についてはたくさんの試みがなされています。
ヒトに麻酔作用を持つ化学物質はさまざまですが、こういったお互いに無関係の化合物がどうやって、意識を奪うという共通の作用を及ぼすのかはほとんど分かっていません。
さらに、「植物にも麻酔が効くんだよ」と聞かされると、謎はさらに深まります。
何千年も前、古代文明の人たちは様々な鎮静化の目的で、ハーブなどを使っていました。しかし、現在の麻酔薬の起源は、19世紀中ほどにあります。医者たちは、現在も麻酔薬として使われている有機化合物である、ジエチルエーテルを処方し始めました。
そのほんの数十年後、科学者達はエーテルが植物にも同等の効果があることに気づきました。フランスのクロード・ベルナールは、植物と動物が、麻酔薬によって阻害される共通した生物的な仕組みを持っていると結論づけたのです。