血液型で分かれる「大ケガでの死亡率」と「ガンになりやすさ」
日常生活では、性格診断でしか聞かない血液型のお話。
もともと、血液型はカール・ラントシュタイナーという病理学者によって、1901年に発見されました。
同じ人間同士でも、誤った血液型の掛け合わせで輸血をしてしまうと、抗原抗体反応が起こり、輸血された人は死に至ります。
しかし、血液型が発見されるまで、輸血によって生きるか死ぬかは実質的に運任せでした。そのため、血液型の発見は人類にとって大きな成果と言えます。
また、ここ数十年の研究の数々から、血液型によって病気のリスクが異なることも明らかになっています。
O型(日本人の30%)
実はO型の血液は、ほかの血液型と比べると特徴が異なります。
O型に限り、ほかの血液型の人に輸血をしても、副作用が起こりません。
もちろん、同じ血液型での輸血が大原則なのですが、緊急時には「A型の人にO型の血液を輸血する」といったことが可能なのです。
また、日本人にはイメージしにくいお話かもしれませんが、ほかの血液型と比べ、マラリアの重症化率が66%低いことがわかっています。
O型は統計的な調査で最も蚊に刺されやすい血液型であることが示されています。
O型がマラリアに強い真相は未だ不明ですが、ひょっとすると蚊によく刺される分、蚊の運んでくるマラリアにも強い耐性が獲得できたのかも知れません。
そして何よりすごいのが、A型、B型、AB型と比較して、がんや心臓病にかかるリスクが最も低いことです。
O型、アドバンテージが大きいですね。
O型はよく「大雑把な性格」と言われますが、こうした疫学的な強さが要因にあるのかもしれません。
ここまでだとO型が一番有利に聞こえますが、実は大きな弱点があります。
大量出血するような大けがをした場合、死亡率がほかの血液型の倍以上なのです。
大怪我をした際、A型、B型、AB型の死亡率が8~14%の間であるのに対し、O型は死亡率28%と高く出ています。
これはO型の血液は出血すると止まりにくい性質を持つためだと考えられています。
よくイメージされる「大雑把」が本当だとしたら、取り返しのつかないケガをしないよう、もう少し慎重さを心掛けても良いかもしれません。
A型、B型、AB型
日本人のうち、A型は40%、B型は20%、AB型は10%を占めています。
以下に取り上げる病気ですが、いずれもO型が最もリスクが低いため、O型との比較でご説明します。
まずO型と比べて、A型は胃がんのリスクが1.2倍、唾液腺がんのリスクが1.64倍であることがわかっています。
また、A型はお腹を壊しやすいという報告もあるようです。
B型は、生活習慣病である、高血圧や糖尿病のリスクが高いと言われています。
A型とB型のブレンドであるAB型は、脳卒中や認知障害にかかるリスクがO型の1.8倍であることがわかっています。
また、血栓になるリスクは、AB型が2.73倍、B型が2.29倍、A型が1.95倍(O型との比較)であることがわかっています。
O型は出血が止まりにくい一方で、良くも悪くも「血液サラサラ」なんですね。
「病気になりにくいが大量出血では死亡のリスクが高い」のと「病気になりやすいけれど大量出血のリスクは人並み」の二方向に分かれるとすると、これは科学的な血液型診断と言えるでしょう。
面白がって終われるお話ではないのですが……。
さて、血液型の研究者であるハーバード大学のルー・チー博士は次のように述べています。
コレステロールや血圧の数値を知るのと同様に、血液型を知るのは良いことです。自分にはより高いリスクがあると判ったら、正しい食事、運動、禁煙など、より健康的なライフスタイルを採用することで、リスクを減らすことができます。
性格診断のような一喜一憂の材料というより、このお話を通して、少しでも自分の体への理解を深めていただければ嬉しいです。
自分がどのタイプかを理解したうえで、予防を意識した生活に向かえるとよいでしょう。