「雷雨」はどのように発生するのか?
雷雨を発生させる基本的な要素は、「湿気」と「暖気の上昇」の2つです。
夏場は特に、この2つが手を取り合って、雷雨を発生させやすい状態を作ります。
まず、太陽光により地表面が熱せられると、湿気を含んだ空気が暖まって、上昇気流となります。
上空に行くにつれ、空気は冷えて水滴となり、それが寄り集まることで「雲」と化します。
また、上空では気温が氷点下に達するので、雲の中には水滴のほかに、氷の粒がたくさん存在します。
氷の粒は雲の中をさらに上昇し、それにつれてサイズも徐々に大きくなります。
そして、その重さが上昇気流の揚力を上回ると、今度は重力にしたがって、雲の中を下降します。
ですから結局、大きな氷の粒は雲の下側に集まります。
![大きな氷の粒は雲の下側に集まる](https://nazology.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2022/08/dda85c93217609f61df0794595ea214f-900x600.jpg)
このとき重要なのは、雲それ自体が、一種の”静電発電機”のように機能することです。
氷の粒が互いにぶつかり合う中で、小さな粒はプラス電荷を、大きな粒はマイナス電荷を帯び始めます。
すると、小さな粒が集まる雲の上方は「プラス」に帯電し、大きな粒が集まる雲の下方は「マイナス」に帯電するのです。
このプロセスが続くと、雲のかたまりは、雷を発生させる「積乱雲」へと成長します。
さらに、静電誘導の作用により、雲の下側のマイナス電荷に対応して、地表にはプラス電荷がたまります。
積乱雲は電荷のバランスを取るために、プラスとマイナスの間で放電を繰り返します。
これが「雷」です。
![雲の下側(マイナス)と地表(プラス)の間で放電するのが「落雷」](https://nazology.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2022/08/1e0aa1aa74a99f142b6720196a5de6e3-900x600.jpg)
雲の中での放電、あるいは雲同士の放電をそのまま「雲放電」といい、雲と地表の間の放電を「落雷」といいます。
そして雷は、抵抗が最も小さい経路を通るため、電気を通しやすいもの(導電性の高いもの)ほど、雷に打たれやすくなります。
これを踏まえ、雷害を避けるために注意すべき行動について見て行きましょう。