データを改ざんしなくても、今後の予測値を操作できる
今回の研究により、同じデータでもグラフ形式を変えるだけで現在のトレンドに対する解釈や今後の予測値に影響を与えられることが示されました。
このグラフの特性を利用すれば、プレゼンなどの際にある程度自分の望む形でデータを解釈してもらうことが可能になるでしょう。
たとえば、ファンドマネージャーが過去の自分の業績を示す際、棒フラフを使用すると将来予測される収益を、過小評価して予想されてしまうリスクが高まります。
逆にこの場合は折れ線グラフを使う方が適切と言えるでしょう。
一方、ウイルス感染者数や事故件数などでは、折れ線グラフではなく棒グラフを使用することで、今後の変化について減少傾向に向かうだろうという楽観的な印象を与えるが可能になります。
データ分析の専門家ならば、こうしたまやかしを多少は回避できるかもしれませんが、グラフから受ける総合的な印象そのものから逃れることはできません。
研究者たちは今後、人々にデータを正確に「見える化」できるようなグラフ形式を探求する必要があると述べています。
行政の報告で誤魔化されてしまうのは困りますが、ビジネスの現場でなるべく有利なプレゼンをしたいというときには、これは知っておくと便利な知識になるかもしれません。