どこにでもとまれるソフトドローン
どこにでもとまれるソフトドローン / Credit:Wenlong Zhang(ASU)_Built to bounce back(2023, EurekAlert)
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「ぶつかっても壊れない」「どこにでもとまれる」災害救助ソフトドローン (2/2)

2023.04.29 Saturday

前ページ衝突や接触に強いソフトボディのドローン

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被災地の「止まり木」で休憩できる

ドローンのもう1つの特徴とは、どんな場所にも着地し、休憩できるグリッパーです。

研究チームは、止まり木で休息する鳥から着想を得ました。

ドローンの下方には、開閉する「柔軟性のあるグリッパー」が備わっています。

衝撃でカールし、空気圧で戻る材料を使用
衝撃でカールし、空気圧で戻る材料を使用 / Credit:Wenlong Zhang(ASU)et al., Soft Robotics(2023)

このグリッパーには、衝撃で曲がり、空気圧で解放される材料が使用されています。

新型ソフトドローンは、これを利用して「つかむ」ようになっており、様々な形や大きさの物体を包み込めます。

動画ではドローンが素早く降下してパイプや角材に接触した途端、グリップがそれらを止まり木のようにつかんでいます。

パイプをつかんだり、解放したりできる
パイプをつかんだり、解放したりできる / Credit:Wenlong Zhang(ASU)et al., Soft Robotics(2023)

またつかんだ後は、グリップがはがれることなく、ドローンは体勢を維持し続けられます。

さらにドローンが浮上し始めると、空気圧を利用してグリップが開放されるため、休憩から飛行へとスムーズに移行できます

しかもこのグリップは双安定性を有しており、グリップが開いた状態と閉じた状態の両方で、エネルギーを消費しません

「止まり木」につかまって電力を温存しながら捜索できる
「止まり木」につかまって電力を温存しながら捜索できる / Credit:Wenlong Zhang(ASU)_Built to bounce back(2023, EurekAlert)

つまりドローンがパイプや木材などの「止まり木」につかまっている間は、エネルギーを消費することがないのです。

これによりドローンは、目的地に移動した後、止まり木で電力を温存しながら、周囲を観察して生存者を探せます

ひたすらホバリングしながら捜索する従来のドローンよりもはるかに省エネだと言えますね。

グリッパーにより「どこにでも」とまれる
グリッパーにより「どこにでも」とまれる / Credit:Wenlong Zhang(ASU)et al., Soft Robotics(2023)

今後、捜索救助に特化したドローンが、1人でも多くの命を救うため、被災地で活躍するでしょう。

さらに研究チームは、今回のアイデアが、捜索救助だけでなく、森林火災の監視、軍事偵察の支援、さらには、惑星の表面探査などにも役立つと考えています。

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