・精子の中に「異常」な性質をもつ「2つ目の中心体」がみつかる
・これまで中心体は、卵子の中で2つに複製されると考えられていた
・研究はまだ発展段階。これにより「不妊」などの原因すべてが分かったわけではない
いま、精子がピンチです。濃度が低下しており、1度の射精による精子の量は減少していることが研究により明らかになっています。そんな精子にさらなるバッド・ニュースといえるかもしれません。
最新の研究により精子に全く新しい構造が確認され、それが「不妊」や「流産」や「先天性の障害」につながっている可能性があるとされています。
https://www.nature.com/articles/s41467-018-04678-8
トレド大学がおこなった研究で、精子の中に「2つ目の中心体」が発見され、それが「異常」な性質をもっているというのです。2つの中心体は、同じ機能をもっていますが、見た目が全く異なります。また、中心体は2つないと機能しません。これまで、中心体は卵子の中で2つに複製されると考えられてきましたが、これが間違いであったことが示されました。そして、その「2つ目の中心体」が不妊や流産などの原因となっている可能性があるのです。
この「2つ目の中心体」が、「不妊」などの未だ解明されていない謎に新しい知見を与えてくれることは明らかです。とはいえ、不妊などすべての妊娠に関わる問題がこれに起因していると判断するのは早計です。これにより非難されるべき「犯人」がみつかったわけではありません。
研究をおこなったトマール・アビドー=レイス氏は、「現在、大学の泌尿器科学部門と協力しながら、この2つ目の中心体の臨床的意味について研究を進めています。これが本当に不妊と関係しているのか、だとしたらどのような場合に影響を与えるのかについて、新たなる事実を見つけ出そうとしているのです」と語っています。
研究はまだ発展段階ですが、この発見が将来的に「適切な不妊治療」など、妊娠に関わる問題を解決することが期待されます。
via: sciencealert / translated & text by なかしー
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