太陽系最大の火山「オリンポス山」はかつて火星の海に浮かぶ島だった!
太陽系最大の火山「オリンポス山」はかつて火星の海に浮かぶ島だった! / Credit: ja.wikipedia, CNRS – Mars: Was Olympus Mons once a giant volcanic island?(2023)
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太陽系最大の火山「オリンポス山」はかつて火星の海に浮かぶ島だった!

2023.07.28 Friday

火星の大地に聳える「オリンポス山(Olympus Mons)」は、太陽系最大の火山として有名です。

山の高さはエベレストの3倍に相当する約2万7000メートルに達します。

山頂にあるカルデラ(窪地)は深さ3.2キロ、長径80キロもあり、富士山がほぼ収まってしまうほどです。

そしてこのほど、仏パリ=サクレー大学(Université Paris-Saclay)、フランス国立科学研究センター (CNRS)の最新研究で、オリンポス山はかつて広大な火星の海に浮かぶ島だった可能性があることが判明しました。

地球ではあり得ない規模の超巨大な火山島だったのかもしれません。

研究の詳細は、2023年7月24日付で科学雑誌『Earth and Planetary Science Letters』に掲載されています。

 

The Biggest Volcano in The Solar System May Once Have Been an Island https://www.sciencealert.com/the-biggest-volcano-in-the-solar-system-may-once-have-been-an-island Olympus Could Have Been a Giant Volcanic Island in an Ancient Martian Ocean https://www.universetoday.com/162537/olympus-could-have-been-a-giant-volcanic-island-in-an-ancient-martian-ocean/ Mars: Was Olympus Mons once a giant volcanic island? https://www.cnrs.fr/en/mars-was-olympus-mons-once-giant-volcanic-island
A giant volcanic island in an early Martian Ocean? https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0012821X23003151

オリンポス山の不可解な点とは?

オリンポス山は、火星の赤道に広がる巨大な火山平原のタルシス地域にあります。

火山タイプとしては、粘性の低い(サラサラ流れやすい)溶岩によって緩やかな傾斜と広い底面積を持つ「楯状火山」に分類されます。

オリンポス山を含むタルシス地域の火山は、ノアキス紀(約41~37億年前)の末期に形成されました。

この時期の火星には、より高密度の大気と暖かな環境、広大な海が広がっていたことが分かっています。

またここまで巨大化した理由としては、火星上でプレート移動が起こらないので、ホットスポット上に火口が留まり続けたためではないかと考えられています。

やや斜めから写したオリンポス山
やや斜めから写したオリンポス山 / Credit: ja.wikipedia

一方で、オリンポス山には不可解な点があります。

山の麓の部分がなだらかな斜面として地面に接しておらず、高さ約6キロの辺りで、崖のような急斜面になっているのです。

垂直とは言わないまでも、緩やかだった斜面が急にガクンと角度を変えて落ち込んでいます。

この原因はこれまで謎に包まれており、専門家らも首を傾げていました。

次ページ海に囲まれていた可能性が大!

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