「感覚特異的満腹感」でダイエットは可能か?
1985年に発表された研究は、長期間同じ食品を食べ続けることで、食品そのものに対する味の魅力や食欲が減少することを示しています。
研究は、約6カ月間同じ3つの食品を摂取していたエチオピアの難民を対象に行われました。この研究では、食品そのものに対する魅力の現象が、その食べ物を摂取し続ける時間の長さに比例することが示されました。
このことから、同じような食事を長期間続けることで、食事そのものを楽しめなくなる可能性があることがわかります。すなわち、理論的には「感覚特異的満腹感」を減量ツールとして利用することは可能…ではあります。
ただし、この方法は続けられませんよね。栄養の偏りが心配ですし、ストレスでドカ食いをしてしまいそうです。
ロールズ氏は、ダイエットの文脈における「感覚特異的満腹感」の活用は、「食事のバラエティを増やすことで、全体的な食事量をコントロールすること」にあると言います。
例えばピザに飽きた後、サラダやフルーツのような異なる種類の食品に移ることで食事の楽しさや満足感を維持しつつ、特定の高カロリー食品の過剰摂取を避けるというやり方です。
食事を上手にコントロールしたいなら、高カロリー食品のバラエティを増やすのではなく、健康的な食品を様々に取り揃え、身近に置くと良いでしょう。
「必要なのは健康的で、低カロリーで、栄養価の高い食品をバラエティ豊かにしておくことです」