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満腹でもデザートは食べられる「別腹」には科学的根拠がある! (3/3)

2023.10.05 Thursday

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私たちの体には本当に「別腹」が存在するらしい

さて、最後に「別腹」の存在を異なる観点から確認してみましょう。

カナダのクイーンズ大学家庭医学部門(Department of Family Medicine, Queen’s University)の研究者たちは、「体の中にデザート専用のスペースがある」という仮説を検証し、2006年にその結果を発表しました。

研究の対象者は、ブルーベリーパイ食べ放題コンテストの過去の優勝者や準優勝者から選ばれました。

彼らは2種類の異なる造影剤を使用して胃のX線撮影を受けました。1つは通常のバリウム、もう1つはデザートのような甘さと食感を持つ特別な造影剤「ファッジオグラフィン(Fudge-o-grafin)」です。

甘い味の造影剤を飲むと胃の中にスペースができることが確認された。
甘い味の造影剤を飲むと胃の中にスペースができることが確認された。 / Credit: W D.J. Ruddock, et al.(2006)よりナゾロジー編集部が作成

結果、「ファッジオグラフィン」をを使用したX線撮影では、全ての被験者の胃にパイの切れ端の形をしたスペースが確認されました。しかし、通常のバリウムを使用した撮影では、このようなスペースは確認されませんでした。

研究者は「これは、デザートを食べるための特別なスペースであると考えられます」と述べています。

また、ノルウェーのベルスタッド氏(Berstad)は、2011年に『ノルウェー医師会ジャーナル』誌にて「甘いデザートを食べると胃に余裕ができる」と述べています。

甘いものに含まれるブドウ糖が収縮反射を刺激することで、胃の圧力を下げ、満腹感を軽減するのだと言います。

どうやら私たちは、バランスの取れた食生活を実現するために有用な、変化に富んだ食事の消費を促すため「感覚特異的満腹感」を持っているうえ、体の中に甘いものを格納するスペースを持っているようです

持続的に適正体重を維持したいなら、この「能力」を上手に活用し、低カロリーかつ栄養価の高い食品で食欲を上手にコントロールすべきなのかもしれません。

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