GDP4位で騒いでいる場合ではない?日本の研究の質がイランやスペイン以下であることが判明!
GDP4位で騒いでいる場合ではない?日本の研究の質がイランやスペイン以下であることが判明! / Credit:Canva . ナゾロジー編集部
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GDP4位で騒いでいる場合ではない?日本の研究の質がイランやスペイン以下であることが判明!

2023.11.03 Friday

日本から優れた論文が出なくなりつつあります。

日本の文部科学省(MEXT)による分析によって、日本の研究が世界の人々から注目される研究成果を出せなくなっていることが示されました。

報告書では、日本は中国と米国に次いで世界3位の研究開発費を投じているにもかかわらず、学術論文の上位10%に掲載される論文数が20年の間に4443本から3767本と15%も減少しており、韓国・スペイン・イランに次ぐ世界13位と大きく順位を落としました。

報告書は日本が停滞している間に、周辺国のレベル上昇したことが主な原因としています。

しかしここ20年の間に、日本以上に順位を急激に低下させ続けた先進国は存在せず、単なる停滞が全ての原因とは言えない状況にあります。

なぜ日本の研究は第一線から退きつつあるのでしょうか?

報告書の詳細は2023年10月25日に文部科学省によって発表されました。

科学技術指標2023 https://www.nistep.go.jp/sti_indicator/2023/RM328_00.html 2040 年の科学・学術と社会を見据えて いま取り組むべき 10 の課題 https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-k230926-4.pdf

研究開発費は3位なのに注目される論文数は13位

研究開発費は3位なのに注目される論文数は13位
研究開発費は3位なのに注目される論文数は13位 / Credit:Japanese research is no longer world class — here’s why . Nature

報告書によると、現在の日本の研究開発費は世界3位、提出された論文数は5位となっています。

通常ならば研究費、総論文数が多い場合、質の高い研究の数も連動して増えていきます。

実際、20年前の日本では論文数は2位、注目度が高いトップ10%に入る論文数は第4位(シェア6%)でした。

しかし現在トップ10%に入る日本の論文数は13位(シェア2%)となり韓国・スペイン・イランに次ぐ順位となっています。

つまり研究費(3位)と発表される論文数(5位)は多いのに、注目される論文数が大きく低下しているのです。

報告書では、原因の一端が積極的な研究費の投資がないことを理由の1つに上げています。

過去20年にわたる大学の研究支出を2000年を「100」とした場合、現在の日本は「130」です。

しかし同じ時期に米国は200、ドイツは160、中国は1170、韓国は490と激増しています。

論文数の「シェア率」の観点からみた場合、研究費が大きく伸びた国が増えれば増えるほど、相対的に日本のシェアが低下していきます。

日本が研究に対して20年前と同じレベルで努力を傾けていても、論文数のシェアを維持することはできなかったでしょう。

では研究の質の低下も同じ原因なのでしょうか?

次ページ質の高い論文の絶対数が急減している

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