研究開発費は3位なのに注目される論文数は13位
報告書によると、現在の日本の研究開発費は世界3位、提出された論文数は5位となっています。
通常ならば研究費、総論文数が多い場合、質の高い研究の数も連動して増えていきます。
実際、20年前の日本では論文数は2位、注目度が高いトップ10%に入る論文数は第4位(シェア6%)でした。
しかし現在トップ10%に入る日本の論文数は13位(シェア2%)となり韓国・スペイン・イランに次ぐ順位となっています。
つまり研究費(3位)と発表される論文数(5位)は多いのに、注目される論文数が大きく低下しているのです。
報告書では、原因の一端が積極的な研究費の投資がないことを理由の1つに上げています。
過去20年にわたる大学の研究支出を2000年を「100」とした場合、現在の日本は「130」です。
しかし同じ時期に米国は200、ドイツは160、中国は1170、韓国は490と激増しています。
論文数の「シェア率」の観点からみた場合、研究費が大きく伸びた国が増えれば増えるほど、相対的に日本のシェアが低下していきます。
日本が研究に対して20年前と同じレベルで努力を傾けていても、論文数のシェアを維持することはできなかったでしょう。
では研究の質の低下も同じ原因なのでしょうか?