有名俳優にナンパされたのがきっかけ?
アイタナのSNSでの存在感が急激に大きくなったのは、ほんの数カ月前、あるラテンアメリカの有名俳優が彼女に送ったメールがきっかけでした。
クルス氏によると「ある日、その有名俳優がアイタナをデートに誘うメールを送りました。この俳優には約500万人のフォロワーがいたのです」と話します。
当然、彼はアイタナが存在しない人物であることを知らなかったわけですが、これを機に人々の間でアイタナの認知度が一気に高まりました。
SNS上ではアイタナがAIによって生成された旨が明記されていないため、今でも毎週のように著名人たちからプレイベートメッセージが届いているそうです。
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月に1万ユーロを稼ぎ出す人気モデルに
その結果、アイタナはたった一回のモデル広告で平均1000ユーロ(約16万円)を稼ぎ出す売れっ子インフルエンサーとなりました。
彼女の写真を生成するクリエイターによると、1カ月で1万ユーロ(約157万円)以上の売り上げが出ているという。
またアイタナは実際のモデルのように気分屋でもありませんし、ワガママも言いません。
疲れ知らずで何時間でも働くことができ、おまけに給料を要求しません。
クルス氏のような雇い主にとってはこれ以上ない存在です。
これを受けてチームは、真っ白いショートヘアが魅力的な2人目のAIモデル「マイア(Maia)」の生成も始めました。
名前も適当につけているわけではなく、「AI」の単語を含むように設定されています。
アイタナ(Aitana)もそうです。
このように、世の中はすでにAIインフルエンサーの時代が到来しています。
日本でもグラビア写真集の売れ行きはすでにAIタレントが席巻するようになっているのをご存知でしょう。
とはいえ、AIモデルやタレントを使った取り組みに批判がないわけではありません。
クルス氏の元には「AIモデルの非現実的な見た目の完成度に影響されて、若者たちがその不自然な完璧さを追求することに夢中になってしまうのではないか」とか、「性的に過激なイメージを作って世の中に流通させることに問題がある」などの批判が寄せられているといいます。
今後、アイタナの成功を受けてAIモデルが世界中に現れるのか、それとも人々の批判によってAIの人物生成に歯止めがかかるのか、注目が集まります。