ネット民「レッテル貼り論文」「夏休みの研究レベル」と盛り上がる
研究では、コロナ禍で新たにワクチン反対に傾いたきっかけが、陰謀論やスピリチュアリティであった可能性が示されました。
そしてこれらのきっかけで態度が形成されると、そこから政治関心に広がる道筋をたどったのかもしれないと研究チームは指摘しています。
実際、参政党は国際ユダヤ資本などの陰謀論、「風の時代」などのスピリチュアリティ関連語を選挙キャンペーン中に用いて選挙活動を行いました。
これにより反ワクチン的態度を持つ人々の支持を集め、2022年の参政党躍進につながったのではないかという分析です。
「反ワクチン的態度を持つようになると、反ワクチンを掲げる参政党への支持を強め、このことが2022年参院選における参政党の議席獲得に貢献した可能性がある」
この論文の発表を受け、ネットでさまざまな反応がみられました。
「これは面白い」「重要な教訓」とする人もいれば、「東大も地に落ちた」「SNSの投稿から分析とか、夏休みの宿題っぽいね」などの批判的な声も上がっています。
また、特定のグループにレッテルを貼り、偏見を持って接することへの反対意見も散見されます。
そして、「反ワクの最大の問題は公衆衛生の脅威になりうるというところなので、変にレッテル貼るのではなくそういう傾向の人に正しい情報を届ける取り組みに役立ててほしい」と提言する声もみられました。
これらの意見は、まとめサイトtogetterやはてブコメントにて確認できます。
本研究はツイートの観察的研究であり、そのため因果関係について厳密な検証は行えていないという限界があります。
研究者たちは、今後の研究ついて「反ワクチンの言説が非科学的な健康法、代替医療、スピリチュアルな言説、陰謀論とどのように関連しているかを調査する必要がある」として、次の点を付け加えました。
「これを怠ると、公衆衛生政策へのリスクが高まり、ワクチン反対を主要な争点とする政党が国政に進出できるようになる」
この研究報告に対する見方は人によりさまざまでしょう。ウマ娘ってワクチン反対の傾向が低いんだという点に特別な関心を寄せる人もいるかもしれません。
いずれにせよ、人がなんらかの意見に偏る原因を理解する上で、この研究はとても興味深い報告と言えるでしょう。