ゲームは「1回あたり3時間まで」が肝?
データ分析の結果、参加者のほとんど(80%)は毎日ゲームをしており、そのうちの大部分の人は数時間単位のプレイを毎日あるいは毎週していました。
具体的には、1回あたり3時間以上を毎週プレイする人は27.5%、1回あたり3時間以上を毎日プレイする人は16.2%となっています。
さらに、そのうち1回あたり6時間以上を毎週プレイする人は19.2%で、1回あたり6時間以上を毎日プレイする人は9%いました。
また、参加者の17.9%が過去1年間に「ゲーム障害」に分類すると評価され、プロゲーマーになることを望んでいた人は全体の21.7%を占めています。
そして最も重要な点として、参加者のかなりの割合がゲーム習慣に起因する身体問題を経験していることがわかりました。
過去1年間で、46.1%が眼精疲労または目の痛み、45.4%が手指または手首の痛み、52.1%が背中または首の痛みを経験しています。
チームが、ゲームの利用時間と身体問題との関係性を分析したところ、1回あたり3時間以上ゲームをプレイする習慣が毎日あるいは毎週ある人は、3時間未満の人に比べて、身体の痛みを経験するリスクが有意に高くなることが判明したのです。
興味深いことに、3時間以上になると身体問題の発症リスクは変わらず、1回に6時間以上ゲームをするからといって、痛みを経験するリスクがさらに増加することはありませんでした。
どうやら「1回あたり3時間まで」が肝のようです。
しかし、研究主任のダニエル・スティエパノビッチ(Daniel Stjepanović)氏は「たった3時間の連続プレイで身体問題の発症リスクが増加したことは、私たちにとって驚きでした」と話します。
これと別に、「プロゲーマーになりたい」という願望は身体問題のリスク増加とそれほど有意に関連していませんでした。
ところが「ゲーム障害」の存在はより顕著な影響力を示し、ゲーム障害の程度が深刻な人ほど、身体問題の発症リスクも高くなっていたとのことです。
以上の結果は、1回でどれくらいゲームをプレイすると身体に痛みが生じやすくなるかを調べた研究として貴重な成果となりました。
チームの見解によると、「1回あたり3時間まで」がセーフティラインと見られます。
その一方で、スティエパノビッチ氏は「この調査は日常的にゲームをプレイする人に焦点を当てているので、ゲームをたまにしかしない人にも同じ結果が当てはまるかどうかはわからない」と述べています。
ゲームのプレイ頻度との関連は今後の課題となりそうですが、3時間以上夢中で遊んでしまうようなゲームに出会ったときは注意が必要かもしれません。
またゲームプレイでこのような影響が出るということは、デスクワークにおいても似たような傾向は存在する可能性があります。
肩こりや腰痛が気になるという人は、連続3時間以上同じ姿勢を取らないように気をつけてみるといいかもしれません。