できるだけ早くゴールを目指す「サイクリング・トライアル」実験
今回の実験には、普段から頻繁に運動を行う33人の参加者(男性17人、女性16人)が加わっています。
そして彼らに、エアロバイクと大型スクリーン、画面上のアバターを使った「サイクリング・トライアル」を行ってもらいました。
ちなみに、参加者全員は、普段からサイクリングをしているわけではなく、自転車のタイムトライアルに参加した経験もありませんでした。
つまり、普段から体をよく動かしている人たちに、あまりなじみのないサイクリング・トライアルに参加してもらったわけです。
この実験では、画面上に3Dの4kmの直線コースを映し出し、参加者に「4kmのサイクリング・トライアルをできるだけ早く終わらせるようにしてください」とお願いしました。
その上で、参加者たちは次の3つの条件でトライアルに挑みました。
- スクリーンには参加者のアバターのみが表示され、できるだけ早くゴールする
- 参加者のアバターの横に仲間のアバターが表示され、できるだけ早くゴールする
- 参加者のアバター以外に、対戦相手のアバターが表示され、対戦相手よりも先にゴールする
そして、それぞれのトライアルにおいて、運動前、運動中(500m地点、1500m地点、2500m地点)、運動後に、参加者の時間の認識がズレているかどうか調べました。
彼らにはその調査の中で、「30秒経った」と感じた時にそのことを申告してもらい、実際の経過時間と比べました。
さらに運動中は、自覚的運動強度(Rating of perceived exertion)も測定されています。
これは「行っている運動をどれくらいきつく感じるか」を段階的に示したもの(努力なし、楽、きつい、最大努力など)です。