大西洋上の4200キロをノンストップで横断する蝶を発見!
大西洋上の4200キロをノンストップで横断する蝶を発見! / Credit: University of Ottawa – Non-stop flight: in a world-first, researchers map a 4,200 km transatlantic flight of the Painted Lady butterfly(2024)
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大陸間移動する蝶を発見!大西洋4200キロを昆虫がどうやって横断するのか?

2024.06.29 Saturday

とんでもない「渡り」の能力を持つ蝶が見つかったようです。

カナダ・オタワ大学(University of Ottawa)らはこのほど、西アフリカ〜南米までの大西洋上ををノンストップで横断する蝶を世界で初めて確認したと報告しました。

なんと蝶たちは少なくとも4200キロの距離をわずか5〜8日間で渡り切っていたのです。

小さくて、か弱いはずの蝶になぜこのような偉業が達成できたのでしょうか?

研究の詳細は2024年6月25日付で科学雑誌『Nature Communications』に掲載されています。

Non-stop flight: in a world-first, researchers map a 4,200 km transatlantic flight of the Painted Lady butterfly https://www.uottawa.ca/en/news-all/non-stop-flight-world-first-researchers-map-4200-km-transatlantic-flight-painted-lady
A trans-oceanic flight of over 4,200 km by painted lady butterflies https://doi.org/10.1038/s41467-024-49079-2

南米にいないはずの蝶を発見!一体どこから来たのか?

ヒメアカタテハ
ヒメアカタテハ / Credit: ja.wikipedia

研究チームがこの驚くべき「渡り」に最初に気づいたのは、2013年10月のことでした。

同チームの一人で、スペイン科学技術最高評議会(CSIC)の生物学者であるジェラルド・タラベラ(Gerard Talavera)氏が、南米の北東部・フランス領ギアナの大西洋岸にて、南米には存在しないはずの蝶を多数見つけたのです。

その蝶はタテハチョウ科に属する「ヒメアカタテハ(学名:Vanessa cardui)」という種でした。

ヒメアカタテハは蝶の中で最も分布範囲が広い種として知られますが、南米とオーストラリアの一部には生息していません。

南米にはいないはずの「ヒメアカタテハ」をフランス領ギアナで発見
南米にはいないはずの「ヒメアカタテハ」をフランス領ギアナで発見 / Credit: ja.wikipedia, canva / ナゾロジー編集部

これはタラベラ氏らに大きな謎を投げかけました。

可能性として考えられるのは主に2つ。

1つは北アメリカの方から南米に南下したパターン、もう1つは西アフリカの方から大西洋上を横断して南米にたどり着いたパターンです。

そこでチームはヒメアカタテハの旅の秘密を解き明かすべく、科学調査ミッションに乗り出しました。

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