「甘味」×「カフェイン」が体内時計にもたらす作用とは?
カフェインは「覚醒作用」を引き起こす栄養成分です。
カフェインの効果には眠気覚ましの他に、疲労感の緩和や集中力のアップなどが期待でき、コーヒーやお茶、エナジードリンク、栄養ドリンクに含まれています。
皆さんも朝の気つけや仕事中の一服として、コーヒーやエナドリを飲むことが多々あるでしょう。
またカフェインの摂取は糖尿病や心血管疾患、死亡率の低下との関連性が疫学研究で示されています。
その一方で、カフェインを摂りすぎると、中毒症状や睡眠不足、生活の質(QOL)の低下につながることも知られています。
加えて、カフェインの摂りすぎは体内時計の乱れも招きます。
体内時計とは、私たちの体の細胞一つ一つで機能している24時間を測る生体システムです。
時差ボケや夜勤など、体内時計の乱れはQOLの低下だけでなく、生活習慣病などの疾患リスクにも繋がります。
これまでの研究では、カフェインの継続的な摂取が体内時計の周期(1日の長さ)を延ばしたり、夕方以降のカフェイン摂取が体内時計の遅れを招くことが示されていました。
ただ通常カフェインには苦味があるため、生物の正常な反応としてこれが摂取量の調整に役立っている可能性があります。
この点を考慮すると、苦みのあるカフェイン飲料を飲みやすくするために糖分が加えられた、甘い缶コーヒーやエナジードリンクは、甘味のないカフェイン飲料と比べ摂取量やその影響に違いが生じるかもしれません。
しかし従来の研究では、ただの「カフェイン」と、「甘味」と「カフェイン」が組み合わさった場合を区別して調査されていませんでした。
そこで研究チームは、甘味カフェイン飲料の摂取によって体内時計がどう変化するかをマウス実験で検証してみたのです。