機械学習による複雑な進化の解明
また、この研究で使用された手法の一つに「機械学習」があります。
機械学習とは、コンピュータが大量のデータを分析し、そこからパターンを見つけ出す技術です。
今回の研究では、サボテンの進化に影響を与える要因を特定するために、機械学習を使ってデータを分析しました。
その結果、先に挙げた5つの要因がサボテンの多様化に大きく関与していることが明らかになったのです。
これらの要因から多様化に必要な条件をまとめると以下の3つが大きく関わっていることが分かりました。
気候:気温の変化や降水量などの環境要因や地理的要因が影響しています。
土壌の特性:サボテンが育つ土壌の質や構造が重要です。
サボテン自体の特徴:サボテンの形や成長の仕方も、多様化に影響を与えています。
しかし、これらの条件だけでは全てを説明できず、進化の大部分はまだ謎のままです。
研究では、全体の約79%が未解明だということも明らかになっています。
研究チームは「XGBoost」という機械学習の技術を使って、サボテンの進化に影響を与える要素の関連性を調べましたが、その結果、すべての要因を完全に説明することはできませんでした。
さらに、祖先の影響を考慮しない場合には、進化の理解に誤りが生じることも示されています。
つまり、サボテンがどのように進化したのかを完全に解明するためには、さらなる工夫が必要だということです。
サボテンの進化に関する研究はまだまだ始まったばかりです。
今回の研究結果は、サボテンの多様化における重要な要因を明らかにしましたが、まだ解明されていない部分も多く残されています。
また、この研究は、サボテンだけでなく、他の植物や生物の進化にも応用できる可能性があります。
機械学習を使った手法は、進化の背後にある複雑な要因を解明するための新たなツールとなりつつあります。