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【おばけ屋敷は健康に良かった】一時的な「恐怖ストレス」は体内炎症を緩和すると判明 (2/2)

2024.11.28 Thursday

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おばけ屋敷で体内炎症が減った!

今回の調査では、デンマークの都市ヴァイレに在住の113名の一般成人(女性69名、男性44名、平均年齢29.7歳)を対象としました。

実験は2023年の9月〜11月にかけて実施され、被験者にはヴァイレにあるおばけ屋敷を体験してもらい、その間の心拍数をモニタリング。

アトラクションを終えると、主観的に感じた恐怖レベルを1〜9段階で評価してもらいます。

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おばけ屋敷の実験に参加する被験者の様子/ Credit: Marc M. Andersen et al., Brain, Behavior, and Immunity(2024)

さらに実験前と実験から3日後に、被験者の「高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)」の数値を測定しました。

CRP(C反応性タンパク質)とは、体内炎症が起きた際に血中で増加するタンパク質のことで、hs-CRPは通常のCRPでは捉えにくい軽微な体内炎症をも検知できるマーカーとして知られます。

ここでは「軽度の炎症レベル」として「hs-CRP値が3mg/Lを超えるもの」と定義しており、被験者の22名は実験前に軽度炎症の状態にあると判断されました。

そしておばけ屋敷の実験から3日後、これら22名のうち18名(82%)はhs-CRP値の有意な減少を示しており、平均して実験前の5.7 mg/Lから3.7 mg/Lにまで低下していたのです。

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A:軽度炎症を示した22名の被験者のhs-CRP値変化(オレンジ:hs-CRPが高まった、薄緑:正常値以下にまで低くなった、濃緑:hs-CRPが低くなった)、B:実験前・直後・3日後のhs-CRP変化/ Credit: Marc M. Andersen et al., Brain, Behavior, and Immunity(2024)

以上の結果から研究者らは「レクリエーションの一環として誘発される程よい恐怖体験は、血中の炎症マーカーのレベルを有意に減少させており、体内炎症の緩和につながる可能性を示している」と述べています。

この知見を用いれば、おばけ屋敷のような一時的恐怖を与えるレクリエーションを正式な医療目的として利用できるようになるかもしれません。

しかしこれを医療に導入するには、一時的な恐怖刺激と免疫システムとのメカニズムをより詳細にしておく必要があると研究者は話します。

また、制御された恐怖を体験できるコンテンツはおばけ屋敷の他にも、ホラーゲームや映画、怪談話などたくさんあります。

こうしたホラーコンテンツを通じた恐怖体験にも同様の健康効果があると予想されるので、積極的にホラーを楽しむことは心にも体にもいいことなのかもしれません。

なぜ人はわざわざ「恐怖体験」を求めてやまないのか?

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