水に入れるとくっつくマジックサンド
水に入れるとくっつくマジックサンド / Credit:Hydrophobic Sand Underwater,Nick Moore (NIK282K)
chemistry

絶対濡れない魔法の砂「疎水性砂」の不思議な挙動 (2/2)

2024.12.08 12:00:28 Sunday

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マジックサンドが水に入れるとくっつく理由

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Credit:Hydrophobic Sand Underwater,Nick Moore (NIK282K)

マジックサンドの不思議なところは、の中で塊になる性質です。

この砂が持つ疎水性とは、先程も述べた通り水を嫌う性質です。これは水分子と結びつかない性質であり、また水をできるだけ避けようとする性質でもあります。

自然界にある物質は基本的にエネルギーの低い状態の方が安定するため、エネルギー的に最小になるように振る舞います。

疎水性物質は、水の中に入れると水と弾き合う力が働くため、このエネルギーを最小にしようと振る舞います。そのためには、水に触れる面積をできる限り減らした方が安定します。そのため疎水性の物質は水の中では互いにくっつくようになるのです。

エネルギーとか言われると混乱するという人は、物理的な原理とは異なりますが、雨の日の相合い傘をイメージするといいかもしれません。

水に入った疎水性物質は雨の日の人間みたいなもの
水に入った疎水性物質は雨の日の人間みたいなもの / Credit:canva

雨の日の私たちは、自然と濡れるのを避けようします。もし傘が一本しかなければ、濡れる面積を最小にしようとお互い引っ付いて歩きます。

ラブコメでも定番シーンは、人間の行動が疎水性だから成立しているわけです。

雨の日に人間の取る自然な行動が、化学的な性質の中にも潜んでいると思うと面白いですね。

こうした理由でマジックサンドは水にいれると、水を避けるように互いにくっつき塊になります。

そして、カラッと晴れた乾いた場所に出れば、くっついている必要がなくなるので、サラサラの砂に戻ってしまうのです。

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