イカはどうやって体の色を変えているの?
イカの体色変化の鍵を握るのは「色素胞(chromatophore)」と呼ばれる細胞です。
イカの皮膚は元々、光の透過を可能にする特殊な構造をしているため、普段は半透明の色をしています。
しかし、その表面皮膚の真下には何千個もの色素胞が全身にわたって並んでいるのです。
色素胞とはひとことで言うと、中に色素を詰め込んだ袋のことを指します。
まず、色素胞の内側には弾力のある袋が入っており、その袋の中に赤色や黄色、茶色、黒色といった色素が含まれています。
ただし一つの色素胞に入っているのは一色のみです。
これらの色素胞が筋肉によって伸び縮みすることで、イカの体色が自在に変化します。
例えば、黒色の入った袋が周囲の筋肉によって引っ張られて広がると、黒色の面積が大きくなって、イカの体が黒く変化して見えるのです。
反対に、周囲の筋肉が弛緩すると、引っ張られていた色素胞も縮んで色が薄まり、元の半透明が目立つようになります。
筋肉の伸縮は脳からの信号を受けた神経系が直接コントロールしており、その速度は極めてスピーディーです。
そのため、最初に紹介した動画のように、瞬きする暇もなく真っ黒から半透明へと変身することができるのです。
では、イカたちは何を合図にして体色を変えているのでしょうか?