現代日本の巨大カルデラはどうなっているか
世界で5番目に活火山の多い火山大国日本では2018年の草津白根山の噴火以来、人的被害のある噴火は起きていません。
日本列島には実に多くのカルデラがありますが、巨大カルデラと呼ばれるものは7ヵ所で、北海道と九州に集中しています(田沢湖を含めて8ヵ所とする場合もあり)。
山体噴火はマグマ溜りに新たなマグマが供給されることによる圧力増加や温度上昇による発泡が原因と考えられています。
一方巨大カルデラ噴火の場合は、巨大なマグマ溜り内のマグマ自身の浮力でマグマ溜りの上部に亀裂が生じるためと考えられます。さらに、巨大カルデラ噴火を起こしてきた火山は、地殻歪(変形)速度の遅い地域にあることが解りました。
そこが北海道と九州というわけです。
南端に桜島が位置する姶良カルデラも過去に巨大カルデラ噴火を起こしました。その痕跡は本州にも残っています。
また、7300年前の鬼界カルデラが起こした完新世(1万1700年前~現在)における世界最大の噴火「アカホヤ噴火」は、当時栄えていた九州南部の縄文人とその文化を滅ぼしてしまうほどでした。再び人類がその地に戻るまで1000年かかったと推定されています。
神戸大学の研究チームは巨大カルデラ噴火の最もリスクが高いものは九州であると睨んでいます。
そして、不気味なことに世界最大の噴火を起こした鬼界カルデラは今も生きており、静かにマグマを溜め続け、少しずつパワーを増しています。
ほら、聞こえませんか。7300年前に一度エネルギーを放出しつくしておとなしくなった鬼界カルデラが、再びマグマを溜め続けて力を増している不気味な鼓動が。
1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災を思い出してください。前日、16日の段階で、翌日に大震災が起きる確率は0.02~8%に過ぎませんでした。
この教訓から、私たちは「それが起きる可能性」が極めて低くても大災害は起きうるということを忘れずにいる必要がありそうです。
日本にはひとたび噴火が始まれば日本が終わる巨大カルデラが複数存在します。日本が終了して日本人が滅びるのは困りますが、巨大カルデラはいつ噴火してもおかしくない。そんな意識でいたほうがよさそうですね。
東日本大震災の時のように海外からの支援があると思います。
もっとも、近くの台湾にも灰が降って大変かもしれませんが。