「星を見て飛ぶ」ドローンシステムを開発
研究チームは、ドローンに搭載可能な小型カメラとAIを活用し、星の位置を計測する新しい航法システムを開発しました。
まず、ドローンには高感度のカメラが搭載されており、夜空の星を撮影します。
この画像を処理し、事前に登録された星のデータベースと照合することで、ドローンの位置を特定するのです。
![画像](https://nazology.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/c34457ea1295e139956180b338402ac7-900x600.jpg)
また今回の研究では「旋回飛行」を活用して測位精度を向上させる工夫がなされました。
具体的には、ドローンが360度旋回することで、カメラの誤差を打ち消し、より正確な位置を算出するという方法です。
実験では、南オーストラリアの夜空の下で、このシステムを搭載したドローンを飛行させました。
その結果、GPSを使わずに、位置誤差を平均4km以内に抑えることに成功しました。
これは、従来の天測航法よりも軽量かつ低コストな方法で、ドローンが自律的に飛行できることを示す重要な成果です。
さらに、天候が良好な条件では、この手法がGPSに匹敵する精度を持つ可能性も示されました。
この研究成果は、今後のドローン技術に大きな影響を与える可能性があります。
例えば、GPSが妨害される戦場では、ドローンが正確に飛行できるようになります。
また、地震や津波で通信インフラが壊れた地域でも、ドローンが救援物資を届けることができるようになるでしょう。
さらに、火星や月のようにGPSが存在しない環境でも、ドローンが自律的に動けるようになるかもしれません。
もちろん、現在の技術では星が見えない昼間や、曇りや雨の日には測位が難しいという欠点があります。
今後、これらの課題が解決されるなら、まるで昔の航海士のように、星を頼りに自由に空を飛ぶ時代がやってくるかもしれません。