最新技術でお粥の「とろみ」の分析!粘度の比較が可能に
北海道大学の研究チームは、「流速分布計測支援型レオメトリ(VPAR)」という最新技術を用いて、お粥の流動特性を詳細に解析しました。
VPARは、二重円筒の装置を使って食品の流れ方を測定する技術です。
外側の円筒を回転させることで、サンプル(お粥)に変形させ、その際に超音波を使って円筒内の速度分布を測定するのです。
このデータを流体力学の計算式に当てはめるなら、お粥の粘度(とろみの強さ)を正確に求めることができます。
![画像](https://nazology.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/67a57632b0b12.jpg)
研究では、市販の白粥、玉子粥、小豆粥の流動特性を比較しました。
そして結果は以下の通りでした。
- 白粥の粘度が最も高く、流れにくい(しっかりしたとろみがある)
- 小豆粥は白粥より少し粘度が低い
- 玉子粥の粘度は最も低く、さらっと流れやすい
さらに、すべてのお粥が「シェアシニング性」を持つことが明らかになりました。
シェアシニング性とは、かき混ぜたり力が加わると粘度が低下する性質のことで、おかゆだけでなく、ヨーグルトやとろみ付き飲料もこの性質を有しています。
シェアシニング性は嚥下食にとって優れた性質だと言えます。
口の中で食べ物を動かすときは適度に柔らかくなり、飲み込む際には適切なとろみを保つため、誤嚥を防ぎながらスムーズに嚥下できるのです。
では、この「お粥の科学」は、どのように役立っていくでしょうか。