ゆっくりとしたリズムを聴くと「食事のスピードも遅くある」
実験の結果、まず男女の差が大きいことが分かりました。
食事時間と咀嚼回数、口に運ぶ回数は男性で有意に少ない一方、咀嚼テンポは男女で差が見られませんでした。
つまり、食事時間を論じる場合には、男女の差を考慮する必要があるのです。
そして全体的な傾向としては、噛む回数が多い人ほど食事時間が長くなると分かりました。
つまり、単に「ゆっくり食べる」と意識するよりも、具体的に「噛む回数を増やす」「一口で何回以上噛む」などと意識することで、実際に時間をかけて「ゆっくり食べる」ことができるでしょう。

また、噛む回数は外部刺激の影響を受けることも分かりました。
ゆっくりとしたリズムのメトロノーム(40bpm)が流れると、食べるテンポが遅くなり、食事時間が延びることが確認されたのです。
つまり、単に「よく噛む」だけでなく、外部のリズムによっても食べる速さがコントロールできるかもしれません。
たとえば、食事中にテンポがゆっくりな音楽を流すことで、自然と食事のスピードを落とすことが可能かもしれません。
また、ダイエット中の人が「よく噛んでゆっくり食べる」ためのトレーニングとして、一定のリズムで噛む習慣をつけるのも効果的かもしれません。
今回の研究ではピザを使用しましたが、より複雑な食品(硬さの異なるものが一皿に混在しているもの)でも同様の効果が得られるかどうか、今後の研究で明らかにする必要があります。
もし、ダイエット中なのであれば、「噛む回数」と「ゆっくりとしたリズムの中で食べる」ことを意識してみてはいかがでしょうか。