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音楽をよく聴く高齢者は認知症リスクが低い / Credit:Canva
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音楽をよく聴く人は認知症リスクが最大39%低い

2025.10.28 11:30:28 Tuesday

音楽を楽しむことは、人生を豊かにするだけでなく、脳をより健康的な状態に保つようです。

オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)の研究チームが、70歳以上の高齢者1万人以上を対象とした大規模な調査で、「音楽をよく聴く人は認知症になるリスクが低い」ことを明らかにしました。

最大39%も低下していたというのだから驚きです。

この成果は2025年10月14日付の『International Journal of Geriatric Psychiatry』誌に掲載されました。

Music may lower risk of dementia by up to 39% in older adults https://newatlas.com/brain/alzheimers-dementia/music-dementia-over-70s/ Listening to or playing music over 75 linked to up to 39% reduction in dementia risk, study finds https://medicalxpress.com/news/2025-10-playing-music-linked-reduction-dementia.html
What Is the Association Between Music-Related Leisure Activities and Dementia Risk? A Cohort Study https://doi.org/10.1002/gps.70163

音楽がもつ「脳を刺激する力」を検証、認知症予防に効果がある?

高齢化社会の進展とともに、認知症は世界中で大きな社会問題となっています。

薬による根本的な治療法がないなか、「日々の生活習慣や趣味が認知症の予防につながるのでは?」という視点から、さまざまな研究が行われてきました。

音楽は、昔から「に良い」と言われてきましたが、本当に音楽を楽しむ習慣が認知症リスクにどれほど影響を与えるのか、科学的なデータは十分にありませんでした。

そこで今回の研究は、オーストラリアで実施されている大規模健康調査「ASPREE」と、「ALSOPサブスタディ」のデータを用いて、その疑問にアプローチしています。

対象は、調査開始時点で認知症ではなかった70歳以上の高齢者10,893人です。

そして研究チームは、参加者に「どれくらい頻繁に音楽を聴くか」「楽器を演奏するか」を質問し、回答を「いつも」「よく」「たまに」「ほとんどしない」などに分類しました。

また、年齢や性別、学歴など、認知症のリスクに関わるさまざまな要因も同時に記録。

このうえで、平均3年以上の追跡期間を設け、どのくらいの人が認知症を発症したのか、また認知症とまではいかなくても「認知機能障害(CIND)」が見られたのかを統計的に分析しました。

研究の目的は、音楽を楽しむ習慣が、実際に認知症や認知機能障害(CIND)のリスクを減らすのかどうかを、客観的かつ大規模なデータで明らかにすることでした。

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