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指トントンに隠された力とは? / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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ウザイ癖「指トントン」に隠された効果!実は「雑音中でも話がスッと頭に入る」裏技だった

2025.04.11 11:30:00 Friday

会議中、誰かが机を「トントン、トントン」と指で叩き始めたら、あなたはどう思いますか?

「うるさいな、集中できないよ…」と感じる人も多いかもしれません。

一方で、緊張したときや何かに集中したいとき、自分でも無意識に指をトントンとリズムよく叩いていることはないでしょうか?

実はこの“うざい癖”と思われがちな「指トントン」には、驚くべき認知効果が隠されていたのです。

フランスのエクス=マルセイユ大学(AMU)の研究チームは、リズミカルに指を叩く動作が、人の「聞き取り能力」を向上させる可能性を発見しました。

研究の詳細は、2025年4月9日付の『Proceedings of the Royal Society B』に掲載されました。

Brainpower boosted by tapping out a specific rhythm, study finds https://newatlas.com/learning-memory/tapping-finger-hearing-comprehension/
Moving rhythmically can facilitate naturalistic speech perception in a noisy environment https://doi.org/10.1098/rspb.2025.0354

うざい癖「指トントン」に秘められた力を探る研究

人は昔から、リズムと行動を結びつけることで注意や集中力を調整してきました。

音楽に合わせて体を揺らす、勉強中に鉛筆をクルクル回す、面接の直前に足をトントンと動かす。

こうした一見「無意味」なリズム行動には、実はの処理能力を高める効果があるのではないかと、近年注目されています。

その中には、「リズムプライミング効果」も含まれます。

これは、規則的なリズム刺激が脳の神経活動のタイミングを整え、その後に提示される文の文法判断や文理解といった言語処理能力を一時的に高める現象です。

例えばこれまでには、「言語障害のある子供を対象にしたセラピー」などの分野で研究されてきました。

しかし、より広い分野への応用研究はほとんど行われていません。

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指トントンに秘められた効果を検証 / Credit:Canva

そんな中、フランスのエクス=マルセイユ大学の研究者たちは、指タッピング(指トントン)によるリズムプライミング効果を確かめたいと思いました。

この指トントンによっても脳のリズムを整えることができるなら、会話への同調率が高まり、言葉の理解力が上がるのではないか?」と考えたのです。

研究チームはこの仮説を検証するため、健常な大人(数十人)を対象にした実験を行いました。

実験では、ノイズの混じった会話音声を参加者に聞かせる状況を作り、その際に音声のリズムと同期するように指をリズミカルに叩かせることにしました。

ちなみに、指トントンの動作は自由なリズムではなく、音声(音の強弱やリズム)にできるだけ合うように指導されました。

音声には音節や単語ごとに異なるリズムがあるため、脳をこのパターンに合わせるようにすることで、リズミカルな言語を適切に処理できる可能性があると考えたのです。

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