ADHDの治療薬とは?どう効くの?
ADHDは「注意欠如・多動症」と呼ばれ、主に次の3つの症状が見られます。
「注意力が続かない」「衝動的に行動してしまう」「落ち着きがない」といった傾向です。
これらは性格の問題ではなく、脳の神経伝達の働きに由来する「特性」であることが、近年の研究で明らかになっています。
治療には、環境調整やカウンセリングとあわせて「薬物療法」が行われることがあります。
その中でもよく使われるのが「メチルフェニデート」という薬です。

この薬は、ドーパミンやノルアドレナリンという脳内の集中力をつかさどる神経伝達物質の再吸収を防ぐことで、脳内のバランスを整える働きがあります。
さらにメチルフェニデートは、前頭葉や線条体など注意力に関わる脳領域のドーパミン濃度を上げることで、神経回路の効率も改善するとされています。
このメチルフェニデートを扱った商品には、『リタリン』や『コンサータ』があります。
リタリンはかつて日本でもADHD治療に使用されていましたが、乱用や依存症の問題が多発したため、現在は原則としてナルコレプシー(睡眠障害)への使用に限定されています。

コンサータ(メチルフェニデート徐放性)は医師の処方を通じて、ADHD治療に使用されています。
ちなみにアメリカなど海外ではリタリンもADHDの治療薬として一般的に使用されています。
しかし、こうした薬が「ある人にはよく効くのに、別の人には全く効かない」という現象が報告され続けてきました。
その原因は長年不明でしたが、今回ついにその「脳の中の違い」が明らかにされたのです。