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脳の空間記憶は食べ物の影響を受けている / Credit:Canva
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脳の「空間記憶」を高めたいなら”あの食べ物”は控えるべき【食事が脳をつくる】 (2/2)

2025.05.01 06:30:24 Thursday

前ページジャンクフードのような食事は脳にどんな影響を及ぼすのか?

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高脂質・高糖質の食事は「空間記憶」に悪影響を及ぼす

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高脂質・高糖質の食事を頻繁に摂取する人は、空間記憶試験の成績が悪かった / Credit:Canva

実験と分析により、研究チームはある傾向を発見しました。

ジャンクフードの摂取頻度が高い人ほど、宝箱の位置を正しく思い出すのが苦手で、迷路試験での成績も明らかに悪かったのです。

それぞれの試験において、参加者みんなは徐々に上達しましたが、高脂肪・高糖質食品を頻繁に食べていた学生たちは、そうでない学生に比べて、成績の伸びが遅く、7回目の試験でも宝箱の位置を正確に思い出せない傾向が見られました。

さらに興味深いのは、この関係は体重や頭の良さ(ワーキングメモリ)とは無関係だったこと。

つまり、「太っているから記憶力が落ちた」のではなく、ジャンクフードをよく食べているだけで空間記憶が落ちているというのです。

研究チームはこれを、「の中の“海馬”が食べ物の影響を受けている証拠だ」と考えています。

海馬は、新しい場所を覚えたり、方向を判断したりするのに必要な部分です。

ここがダメージを受けると、たとえスマホがなくても帰れるような「脳の地図機能」がうまく働かなくなるのです。

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空間記憶を高めたければ、ジャンクフードは控えるべき / Credit:Canva

この研究は、以前からネズミで示されていた「ジャンクフードが記憶を悪くする」という話を、人間でも実証した初めての本格的な例です。

しかも、ゲーム感覚でリアルな空間認識をテストできるVRという最新技術を使ったことで、より現実に近い形で脳の働きが観察されました。

もちろん、この研究は因果関係を示すものではありません。

しかし、過去の動物実験脳科学の知見と合わせると、ジャンクフードをよく食べる傾向が脳に悪影響を与える可能性は非常に高いと言えるでしょう。

では、私たちは日常生活にこの結果をどのように当てはめることができるでしょうか。

「絶対にジャンクフードを食べるな!」という話ではありません。

バランスのとれた食生活を心がけることが、脳の健康にとっても良いということです。

普段の生活で、ちょっとした工夫――野菜や果物を意識して取る、甘い飲み物をお茶に替える、というだけでも十分意味があります。

毎日を健やかに、そして道に迷わずスムーズに過ごすために、今日の食事をちょっとだけ見直してみるのはどうでしょうか。

脳は、あなたが食べたものでできているのですから。

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脳の「空間記憶」を高めたいなら”あの食べ物”は控えるべき【食事が脳をつくる】 (2/2)のコメント

ゲスト

でも体はそれを欲しがるわけですから人間は面白いなと。

ゲスト

マウスはいざ知らず、ニンゲンの場合ただの見かけの相関の可能性が大だよね。
若干あほらしい。

ゲスト

ジャンクフードとは?
と思って論文をみたら高脂肪 ・高砂糖食(high fat and sugar)のことでした

ゲスト

空間記憶とは言うが、これはほぼ脳内マッピング(二次元)のテストな気がするなぁ
これに関しては進行順序を符号化したり、国道を語呂合わせで覚えるみたいな技術でも代用できてしまう

あと筋肉を使うケース…例えば標高1000mの森の迷路みたいな場所だと、逆に行動食を摂った方が脳が働くので
多分、体格や運動量によって、脳が疲れにくくなる最適な摂取量みたいのはあるかもしれない
が、そこまで調査すると、結局みんなが知ってる『適量』に落ち付きそうな気がしないでもない

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