脳波検査の常識を覆す!「髪の毛」みたいに細い電極が登場!
脳波(EEG)検査とは、脳の神経活動に伴って発生する微弱な電気信号を頭皮から測定する技術です。
睡眠障害やてんかん、認知症、脳卒中の診断など幅広く用いられており、近年ではブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の基盤技術としても注目されています。

しかし、その有用性に反して、EEG検査にはいくつかの課題がつきまとってきました。
最も大きな問題は、従来の電極が扱いにくく、快適性に乏しいという点です。
現在広く使用されている金属電極は、導電性ジェルを必要とします。
このジェルは時間の経過とともに乾燥し、電極の接触品質が低下してしまいます。
そのため、長時間の測定には向いていません。
さらに、頭皮に密着させるためにキャップや粘着テープで固定する必要があり、利用者にとっては物理的にも心理的にも大きな負担になります。
また、頭髪の存在が問題でした。
髪が多いと、電極が頭皮としっかり接触せず、ノイズが入りやすくなります。
特に日常生活の中で装着し続けるには、目立たず、かつ安定して脳波を取得できるデバイスが必要でした。

こうした課題を解決するために、今回の研究では髪の毛のように細く、柔軟で、目立たず、しかも高性能な電極が設計されました。
この新型電極は、3Dプリンタで髪の毛状に印刷されており、電極部には導電性ハイドロゲルを使用。
電極自体は生体接着剤を使用して頭皮に取り付けられますが、市販のEEGジェルの2倍の強度があると判明しています。
しかもシャワーを浴びたり、運動で発汗したりしても剥がれず、はがすとき剥がす時に皮膚にダメージを与えることもありません。
髪の毛のように細く、目立たず、貼るだけで使える電極なのです。
では、この新しい電極はどれほどの性能を有しているのでしょうか。