人類は深海世界をほとんど何も知らない?
研究チームは今回、1958年以降に行われた約44,000件の深海潜航データを使用。
世界120カ国の海域における観察記録をもとに、これまでで最も包括的な深海底の視覚的観測の推定を行いました。
その結果、人類が深海探査を記録し始めてから約70年の間に視覚的に探査した深海底の範囲は、全体の0.0006~0.001%にすぎないことが判明したのです。
この上限値に相当する面積は3,823平方キロメートルで、これはアメリカで最も小さな州であるロードアイランド州より少し広い程度であり、ベルギーの国土面積の約10分の1にあたります。
こちらが視覚的に観測済みの深海底のエリアです。

研究では次のようなたとえも示されました。
仮に陸上の生態系すべてを地表の0.001%しか観察せずに語ろうとした場合、それは「地球上のあらゆる陸上生物をテキサス州ヒューストン市ほどの面積だけを見て評価するようなもの」だといいます。
さらに人類が探査した深海の地理的な場所にも大きな偏りが見られたようです。