「スマホ」と「トイレ」の関係
痔は、肛門や直腸の血管が腫れて炎症を起こすことで発症する、きわめて一般的な疾患です。
日本においても、多くの成人が一度は経験すると言われており、その原因はさまざまです。
排便時の強いいきみ、長時間の座位、加齢、食生活の偏り、さらには妊娠や出産などがよく知られた要因ですが、現代の新たな生活習慣として浮上してきたのが「トイレ中のスマートフォン使用」です。
排便は、本来短時間で済ませるべき行為ですが、スマートフォンを持ち込むことで、ゲームや動画視聴に夢中になり、トイレに長くとどまってしまうケースが少なくありません。

このような習慣が痔にどのような影響を与えるのかを明らかにするために、パスリチャ博士らは125人の大腸内視鏡検査を受けた患者を対象にアンケート調査を実施しました。
調査では、まずトイレでスマートフォンを使用する頻度について確認しました。
次に、1回のトイレ滞在時間がどの程度かを質問しました。
さらに、スマートフォンの使用がその滞在時間に影響を与えているかどうかについても尋ねました。
同時に大腸内視鏡検査の結果から、実際に痔を患っているかどうかの医学的評価も行われました。
では、トイレでスマホを使う習慣と痔のどんな関係が明らかになったでしょうか。