約250万年前の新種と判明!世界最大のチョウ化石を「カミタニオニミスジ」と命名!
正体が判明した化石は、発見者である神谷氏への敬意を込めて「Tacola kamitanii(カミタニオニミスジ)」と名付けられました。
そして化石から得られた情報によれば、この蝶は非常に大きく、前翅の長さが推定48mm、開翅の幅はなんと84mmにも達します。

これは現在知られている蝶の化石の中で、世界最大のサイズです。
分類的には、タテハチョウ科イチモンジチョウ亜科に属する「オニミスジ属(Tacola)」に当たります。
この属は現在の日本には生息しておらず、東南アジアの熱帯〜亜熱帯地域に分布しています。
つまり、この化石は過去の日本列島がいかに温暖な環境だったかを示す手がかりとも言えるのです。
研究者たちは、今後この蝶がどのようにして絶滅していったのかを探るとともに、この化石が出土された新温泉町の地層の生態系や昆虫の化石分布をさらに調査する予定です。
今回の研究は、地元の博物館に静かに保管されている「名もない化石」が、実は数百万年の物語を語る宝物かもしれないことを示しています。