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コーヒーを飲む習慣があると「カフェイン抜きでも認知機能が向上する」と判明 (2/2)

2025.05.29 07:00:59 Thursday

前ページ脳にスイッチを入れるのは本当に「カフェイン」なのか?

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カフェインレスでも認知機能はUPできる

実験対象となったのは、1日に1~3杯のコーヒーを習慣的に飲んでいる健康な大学生20名(男女10名ずつ)でした。

被験者たちはランダムに「カフェイン入りのコーヒー」または「デカフェ(カフェインなし)」を与えられました。

しかし、どちらも見た目・香り・味が同じデカフェをベースに作られており、カフェイン群には後からカフェイン粉末を添加しています。

どちらを飲んだかは被験者にも研究者にも伏せられる条件で行われました。

その後、心拍数、血圧、脳波(EEG)を測定しながら、「暗算テスト」や「聴覚反応テスト」などの認知機能評価を行いました。

すると、以下のような驚きの結果が観察されたのです。

・心拍数の低下と血圧の上昇は、カフェイン群・プラセボ群ともに見られ、差はなかった

暗算テストでは、正答率や回答数において両グループに有意な差はなかった

・聴覚の反応速度も両群で改善しており、わずかに反応速度が高まっていたのはカフェイン群でしたが、プラセボ群でも明確な傾向が見られた

・脳波解析では、カフェイン群で「P3成分(注意・判断に関与)」の上昇が有意に見られたが、プラセボ群でも同様の変化が一部確認された

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チームはこれらの結果から、コーヒーを習慣的に飲んでいる人は「コーヒーを飲む」という行為だけで、ある程度まで脳が覚醒状態に入る可能性があると指摘しています。

この明確な因果関係はまだ明確ではありませんが、現時点で、プラセボ群の反応速度向上は「自分はカフェイン入りを飲んでいる」という期待に基づく条件づけられた反応によるものと考えられています。

となると、普段飲むコーヒーを自分の意志でカフェインレスに切り替える場合は、「自分がカフェイン抜きを飲んでいる」ことに気づいているため、もしかしたら認知機能の改善効果が見られなくなるかもしれません。

その点は今後の調査が必要です。

しかし今回のように「カフェインレスコーヒーでも認知機能の改善効果が見られた」のは驚くべき成果です。

カフェインはあまり過剰に摂取しすぎると、心拍・血圧の上昇、利尿作用と脱水、不眠・睡眠の質の低下、不安・イライラ・焦燥感、依存症などの弊害が現れる可能性があります。

なので例えば、パートナーに準備する朝食のコーヒーをこっそりカフェインレスにすると、認知機能の向上効果はそのままに、パートナーの心身の健康を改善できるかもしれません。

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コーヒーを飲む習慣があると「カフェイン抜きでも認知機能が向上する」と判明 (2/2)のコメント

ゲスト

カフェインにかなり強く反応する体質ですけど、デカフェのコーヒーでも体調は崩れましたから、カフェインがそもそもそれを導いていない(増強しているだけ)可能性もあるかなって。
チョコとかにもカフェインって含まれていますけど、チョコとかでは体調崩れないですからね。

    珍道

    デカフェでも少量カフェインが含まれている可能性があるので、それに反応しているのかも。
    しかしカフェインが他物質と相互作用を起こしていることは考えられますね。

ゲスト

カフェインでなくて、ポリフェノールが含まれているからではないですか。

ゲスト

喫煙者がニコチンレスの電子タバコを初めて吸った時タバコを吸ったようになるけど、徐々に脳が騙されなくなって効かなくなる。シャブ中も針を打つ動作をしただけで禁断症状が治まったりするけど以下同。そういう効果だろうから、たまにカフェインレスを挟む程度じゃないと効果は無くなると思う。

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