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「甘じょっぱい」が塩分を控えたい人にとって罠となるかも / Credit:Canva
health

「甘じょっぱい」の罠!甘みが塩辛さの感覚を鈍らせると判明 (2/2)

2025.07.17 20:00:11 Thursday

前ページ人の「高濃度塩味を避ける傾向」を弱める要素とは?

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甘味が加わることで塩辛さの感覚が鈍ると判明

まず注目すべきは、健常者における変化です。

5%濃度の食塩水に対して「不快だ」と答えた人は32%いましたが、甘味を加えるとその割合は17%に減少。

同様に、10%濃度では45%から25%へと忌避反応が減少しました。

つまり、甘味が加わることで塩辛さの感覚が鈍るという現象が明確に示されたのです。

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甘味が加わることで塩辛さの感覚が鈍る。塩分を摂取しすぎてしまうかも / Credit:京都府立医科大学

この効果は、CKD患者においてさらに顕著でした。

10%食塩水に対する忌避反応は、甘味なしでは15.2%が「不快」と答えましたが、甘味を加えるとわずか3.0%に。

20%濃度では、21.2%から7.6%へと大きく減少しました。

CKD患者はもともと塩味の認知感度が低いため、甘味が塩味の不快感を和らげることで、高濃度の塩分でも気づきにくくなるのです。

これは、彼らが無意識に塩分過剰摂取に陥る要因のひとつかもしれません。

一方、酸味については健常者ではやや忌避反応が減少したものの、CKD患者では効果が見られませんでした。

これは、CKD患者が酸味自体を感じにくくなっているためと推察されます。

苦味に関しては、甘味を加えてもほとんど変化はなく、依然として強い忌避反応が持続しました。

これは苦味が毒物のサインとして本能的に避ける味であるため、味覚の相互作用による影響を受けにくいのかもしれません。

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甘じょっぱいお菓子や料理は魅力的だが、塩分を控えたい人は要注意 / Credit:Canva

この研究から得られた重要な教訓は、「減塩を目指すなら、単に塩を減らすだけでなく、甘味の摂取にも注意を払うべき」という点です。

特に「甘じょっぱい」味付け、たとえば市販の照り焼き弁当や甘酢だれ、加工食品、お菓子などは、塩分の「隠れた増加要因」になり得ます。

甘味を控えれば、塩味の感受性が回復し、「これはちょっと塩辛すぎる」と気づく感覚も戻ってくるかもしれません。

本研究は、食品企業と大学が協力して実施した産学連携の好例でもあり、将来的には「減塩をサポートする調味料の開発」など、実用的な応用にもつながる可能性があります。

「塩分のとりすぎ」を気にしている皆さん、甘じょっぱい味には気をつけてくださいね。

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「甘じょっぱい」の罠!甘みが塩辛さの感覚を鈍らせると判明 (2/2)のコメント

ゲスト

甘くて辛くて脂っこいものは体にはよくないということでいいのですかね。
安いものは基本なのですが…。

ゲスト

知ってた

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