「1万歩でなくてもいい」1日7000歩で死亡リスクが47%低下すると判明

「1日1万歩」という数値は、語呂の良さやキリの良さで定着し、様々な場面で掲げらられるようになりました。
フィットネス業界や歩数計メーカーが「健康のために1日1万歩を目指しましょう」と勧めることも少なくありませんでした。
ところが、その後ウェアラブルデバイス(スマートウォッチなど)の普及により、歩数と健康状態の関係が“客観的に”計測できるようになりました。
今回の研究では、2014年から2025年までに10カ国以上で実施された57の前向き研究を対象に、日常の歩数と疾患発生リスクの関係をメタアナリシス(統合解析)によって精査しました。
研究チームはまず1日2000歩の県境への影響を調べ、その後1000歩ずつ増やしていきました。
解析の結果、1日あたり7000歩を歩くことで、2000歩と比較して全死亡リスク(健康に関連)が47%も低下することが明らかになりました。
これは1万歩歩く場合とほぼ同じ数値です。

さらに、7000歩と2000歩を比較すると、心疾患の発症リスクは25%、関連する死亡リスクも47%減少していました。
がんの発症リスクに関しては有意な減少は見られませんでしたが、がんによる死亡リスクは37%低下しており、明確な効果が示されました。
また、認知症については7000歩で38%のリスク低下が確認され、それ以上歩数を増やしても効果の伸びは緩やかであるとされています。
加えて、うつ症状の発生率は22%低下し、転倒リスクも28%減少していました。
研究チームは「少ない歩数でも、増やせば増やすほど健康効果がある」と指摘しています。
たとえば、過去のメタアナリシスでも1日4000歩で健康効果が得られることが報告されており、7000歩はその上で「現実的で到達可能な、最大効率のスイートスポット」と位置づけられました。
また、年齢別にみると、高齢者ではより少ない歩数でも効果が現れやすい可能性があり、個々の体力や健康状態に応じた目標設定が求められます。
副著者であるキャサリン・オーウェン氏は「すでにアクティブな人にとって1万歩は良い目標だが、多くの人にとっては7000歩でも十分すぎる成果が得られる」とコメントしています。
では、7000歩という新たな指標を私たちの生活にどのように当てはめられるでしょうか。