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気候が暑くなるほど、人々の「砂糖の摂取量」が増えていた

2025.09.09 20:00:44 Tuesday

厳しい暑さで、つい冷たいジュースやアイスに手が伸びる。

そんな経験は誰にでもあるでしょう。

英カーディフ大学(Cardiff University)らの最新研究によると、砂糖を摂取する習慣は気候変動によって加速し、特に社会的に弱い立場にある人々の健康を大きく脅かす可能性があることが明らかになりました。

研究の詳細は2025年9月8日付で科学雑誌『Nature Climate Change』に掲載されています。

As world gets hotter, Americans are turning to more sugar, study finds https://phys.org/news/2025-09-world-hotter-americans-sugar.html
Rising temperatures increase added sugar intake disproportionately in disadvantaged groups in the USA https://doi.org/10.1038/s41558-025-02398-8

暑さと砂糖摂取の科学的な関係

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研究チームは今回、2004年から2019年までの米国の世帯データを解析しました。

これはNielsen社が収集した大規模な食品購入記録で、全国4万~6万世帯の詳細な購入情報が含まれています。

これを気象データと組み合わせて分析した結果、明確なパターンが浮かび上がりました。

それは「気温が高くなると砂糖の摂取が増える」という傾向です。

特に12~30℃の範囲では、気温が1℃上がるごとに1人あたり0.7グラムの砂糖が追加で消費されることが示されました。

主な原因は、砂糖入り飲料(ソフトドリンクやフルーツドリンク)と冷菓(アイスクリームなど) の消費増加です。

一方で、パンや焼き菓子などからの砂糖摂取はむしろ減少しており、人々が暑さの中で「冷たくて水分を補給できる食品」を選んでいることがうかがえます。

ただし、気温が30℃を超えると摂取量の増加は鈍化、あるいは減少傾向も見られました。

これは極端な暑さが食欲を抑える生理的効果や、強烈な喉の渇きを水で補う行動が影響していると考えられます。

研究者らはこの傾向を気候変動シナリオに基づき予測しました。

その結果、今世紀末までに平均気温が約5℃上昇すると、アメリカ人は1人あたり1日平均2.99グラムの砂糖を追加で摂取する可能性が高いと推定されました。

特に夏や秋には4グラム近い増加が予想されています。

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