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※ この画像はイメージであり、実際の写真ではありません/ Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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胸に刺さったナイフに気づかず「8年間」過ごした男性 (2/2)

2025.09.19 07:00:14 Friday

前ページナイフが刺さったまま、なぜ気づかなかったのか?

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その後の男性は無事だったのか?

とはいえ、体が“異物”と共存し続けられるのは永遠ではありません。

男性の場合も、年月を経て徐々に感染が広がり、ついには膿が漏れ出す症状につながったとみられます。

診断後、医師たちは胸部の開胸手術(胸壁を切開して内部にアクセス)を実施しました。

術中には、ナイフの刃は右肩甲骨付近から背中の第5・6肋骨間を通り、前方の第3・4肋骨間にまで到達していることが確認されました。

さらに、周囲の組織には癒着や膿、壊死した組織が見られ、刃の除去とともに感染部位の洗浄・壊死組織の除去(デブリードマン)が行われました。

術後は、ドレーン(排液管)を設置し、抗生物質による感染対策を実施。

8日目にはドレーンが抜去され、10日目には無事退院。

さらに術後2週間後と6週間後の経過観察でも、感染の再発や合併症はなく、男性は元通りの生活を取り戻しました。

このような大きな異物が体内に長期間留まり続ける症例は極めて稀であり、世界の医学文献でもほとんど報告がありません。

通常は弾丸などの小さな異物が多く、数週間から数カ月のうちに発見・除去されるのが一般的です。

今回の症例は、人体が極めて大きな異物を“無害化”し、長期間生き延びることができるという驚くべきサバイバル力を示しています。

一方で、貫通性外傷を受けた際には、たとえ見た目に傷が治ったとしても、体の奥深くに危険な異物が残っていないかをしっかり確認することが不可欠です。

特に医療資源が限られる地域や応急処置のみで終わってしまう場合には、早期の画像検査やその後のフォローアップ体制の重要性が、改めて浮き彫りになりました。

人間の体は思いもよらない力を秘めていますが、適切な診断と治療による「サバイバル力」のサポートも、私たちの命を守るためには不可欠なのです。

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胸に刺さったナイフに気づかず「8年間」過ごした男性 (2/2)のコメント

ゲスト

防御反応は結果であって、なぜ気づかなかったか知りたい

で、どうすればいいのだ

事件発覚してるわけなので、当然治すにしても
事実隠ぺいが成立してしまっています。
隠し通せるということは無実と同じでいいのか
良くもなくても、だれも何もできない隠ぺい成功の事実は、無実に値してしまっている
本人がよければ、許したのが本人ということか
通常はあり得ないから、稀すぎるケースとして
法の範囲外でもあり、範囲外で問題もなく、だれもなにも裁けない
この記事は、その点にきづいているのあろうか

ヒュー

手塚治虫氏の『ブラック・ジャック』の話の一つ、「ときには真珠のように」を想起させられる事例でした。

ゲスト

ブラックジャックのあの話を思い出すな。

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