未来の自分をイメージした「日々のセルフケア」とは
心理学者のハル・ハーシュフィールド氏の研究では、未来の自分を具体的にイメージできる人ほど、今日の選択も前向きになりやすいことを明らかにしています。
また別の研究では、自分の価値観や目標と一致した努力こそが長続きし、深い充実感をもたらすとされています。
さらにアルバート・バンデューラ氏の研究は、自信が挑戦を避けることからではなく、困難な課題を乗り越えることから生じることを証明しています。
こうしたことからも、本当のセルフケアが「心地よさ」だけで決まらないと分かります。
それでは、実際にどのようなセルフケアを行うべきなのでしょうか。
たとえばアラームが鳴ったらすぐに起きる、先延ばししたくなる仕事をまず最初に片付ける、健康を意識して食事を選ぶ、自分をすり減らす頼みごとにはノーと言う、睡眠時間をしっかり確保する、といった日々の実践が挙げられます。
また、セルフケアは頑張るだけではなく、意図的な休息にも当てはまります。
ただし、休息が「面倒なことからの逃避」になっていないか意識することがポイントです。
たとえば、仕事の途中でSNSや動画を見て現実逃避したり、夜更かししてしまったりする行動は、リラックスしているつもりでも、実際には疲れや不安が強くなることがあります。
どんな休息も、「これは未来の自分にとって本当に役立つ休み方か?」と意識して選ぶことが大切です。
たとえば、夕方に仕事を終えて家族との時間をつくる、週末にスマホを手放してデジタルデトックスをする、ヨガや散歩で心と体をリセットするなど、未来の自分が感謝できる休息を取り入れるのがポイントです。
さらに、毎日や毎週、「今日が終わったときに自分は何をしていたら誇れるか」「今週末、やっておけばよかったと思うことは何か」と自分に問いかけるだけでも、日々の選択が変わっていきます。
こうした小さな積み重ねが、少しずつ自己肯定感や自信を育て、本当に自分を大切にする力につながっていきます。
セルフケアという言葉は、心地よさやご褒美と同じ意味で使われがちですが、実際は未来の自分に向けた日々の小さな規律こそが、その本質です。
心地よさだけに流されず、バランスを意識して、新しいセルフケアを始めてみてはいかがでしょうか。