磁気を帯びた服薬ゼリーが尿管結石をまとめて除去する

今回の研究チームが開発した磁気デバイス「MagSToNE」は、「磁性ハイドロゲル」と「磁性ワイヤ」という2つの要素から成り立っています。
まず磁性ハイドロゲルですが、これは簡単に言えば「磁石に引き寄せられる特殊なゼリー」のことです。
このゼリーは、医療用として使われている非常に細かな酸化鉄の粒子(ナノ粒子)と、キトサンという天然由来の素材を混ぜることで作られます。
磁石に引かれる性質を持つ酸化鉄の粒子が、ゼリー状のキトサンによって石の破片の表面に貼り付くように固定され、破片を「磁石に反応する物体」に変えてしまうのです。
薬を楽に飲むための服薬ゼリーを磁気に反応し、かつ結石を取り込めるように調整したバージョンと捉えるとイメージしやすいでしょう。
(※市販の服薬ゼリーは増粘多糖やゼラチンですが今回の研究のゲルは甲殻類由来の多糖(キトサン)とグリセリンなどを体内で混ぜ合わせて患部でゲル化させる方式をとります)
これにより、結石破片は一瞬で「磁石にくっつく性質」を持つようになります。
次に磁性ワイヤですが、これは「とても細い磁石の棒」のようなものです。
直径は約1ミリ(実際は約0.9ミリ)ほどしかありませんが、実はこの細長い棒の全体が強い磁石の力を帯びています。
この細さのおかげで、ワイヤは内視鏡という細い管を通じて腎臓の奥深くまで挿入することが可能です。
そして磁性ワイヤが破片の近くに差し込まれると、破片は磁石の引力によってワイヤに吸い付くように集まります。
従来、バスケットカテーテルという小さなかごで一つひとつ丁寧に拾わなくてはならなかった破片を、「磁石にくっつくゼリーで破片を砂鉄化して、磁力の棒でまとめて吸い上げる」というアイデアです。
この磁気デバイスの効果をまず確認するため、研究チームは人工的に作られた腎臓のモデル内に直径2ミリ以下の小さな結石の破片をモデル内に置き磁性ゲルを一回だけ注入しました。
すると、破片は瞬時にゼリー状のゲルに覆われ、「磁石に引き寄せられる状態」になりました。
その後、磁性ワイヤを近づけてみると、28個の結石の破片がまとめて磁性ワイヤに吸い付いたという結果が得られました。
また、この様子は動画でも確認されており、ゲルは注入してから数秒以内に固まり、磁石への反応が素早く起こることが示されました。
人工モデルで成功を収めた研究チームは、次に生きたブタを使った実験に挑戦しました。
ブタの腎臓内で結石を細かく砕き、その破片に磁性ハイドロゲルを注入したところ、肉眼で確認できる範囲のあらかたの破片が回収されました。
また、磁性ゲルの回収量も測定されました。
摘出した腎臓を用いて、10分間の洗浄と磁気ワイヤによる操作でどれだけゲルが除去されるかを調べた結果、腎臓内の磁性ゲルの約99.8%が取り除かれました。
磁性ワイヤは余分なゲルを優先的に引き寄せ、結石の破片はゲルで磁化された部分が直接磁気ワイヤに吸着するかたちで回収されたわけです。
砂場で磁石を近づけると砂鉄ばかりがくっついてくるように、腎臓内でも磁性ゲルがワイヤに集まり、結果として腎臓内にゲルはほとんど残りませんでした。

























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