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生きたメタル/ Credit: Binghamton University(2025)
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液体金属とバクテリアを融合させた「生きたメタル」を開発 (2/2)

2025.11.07 07:00:34 Friday

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生きたメタルが切り拓く未来

この「生きたメタル」は、従来のどんな導電材料とも一線を画しています。

最大の特徴は「自己修復」だけではありません。

たとえば、紙やシリコーン樹脂などの柔軟な素材にも自在にパターン形成できるので、コストを抑えつつ、フレキシブルな電子回路を作ることができます。

さらに、芽胞は液体金属の中で20週間以上も生き残り、必要なタイミングで「スイッチ」を入れるように発芽・機能化できるという応答性も持っています。

実用化が期待される分野は多岐にわたります。

  • ウェアラブルデバイスや電子皮膚
    柔らかい素材に組み込める上に、ひび割れや断線が生じても自ら修復。生体信号の長期モニタリングや、皮膚に貼るセンサーなどに最適です。

  • 埋込型医療デバイス
    生体内で長期間安定し、微細な損傷も自己修復。体内センサーや神経インターフェース、人工臓器の電極材料など、人体と電子機器を直結する場面で真価を発揮します。

  • ソフトロボティクスやフレキシブル回路
    変形・伸縮に強く、繰り返しのストレス下でも高い導電性を維持。将来的には人工筋肉や自律修復型配線など、次世代のロボット開発にも応用が期待できます。

また、芽胞が「生きた電子回路」としてイオン信号や分子信号を感知・変換し、電子機器と生体の間の“架け橋”になる可能性もあります。

たとえば、人間の体内のイオンや分子の変化をリアルタイムで電子信号に変換し、異常を検知したり薬剤を自動的に放出したりする“スマートデバイス”への道が開かれるかもしれません。

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