ポストコロナの免疫低下が招く「感染症のリバウンド」の懸念とは!?
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、世界中で実施された社会的行動制限は、単にCOVID-19の感染を抑えるだけでなく、私たちの生活様式そのものを大きく変えました。
人と人の接触が減り、学校や職場も一時的に閉鎖され、友人と集まる機会やイベントも激減。
その結果、インフルエンザや百日咳、ムンプス(おたふくかぜ)など「毎年当たり前のように流行していた感染症」が、まるで消えたかのように激減した年もありました。
しかし、専門家の間では「これで社会全体の免疫が落ちてしまい、解除後には“感染症の嵐”がやってくるのでは?」という不安が拭えませんでした。
こうした現象は「免疫ギャップ(immunity gap)」とも呼ばれます。
たとえば、「ワクチンで守られていたはずの世代が“感染未経験”のまま成長し、社会にウイルスや細菌が戻ってきたときに一気に流行が広がる」
そんな悪夢のようなシナリオが現実になるのでは、との声もありました。
では実際に、ポストコロナの世界で本当に感染症のリバウンドは起きていたのでしょうか?
ジョージア大学の研究チームはこの疑問に答えるため、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が毎週公表している感染症サーベイランスデータやインフルエンザの記録など、全米規模で集められた約24種類の感染症データ(2019年〜2024年)を徹底的に解析しました。
分析対象はインフルエンザ、百日咳、ムンプス、Hib感染症などの「空気・飛沫感染症」、クラミジアや淋菌、梅毒といった「性感染症」、食中毒やダニ媒介疾患などの「環境・動物由来感染症」など多岐にわたります。
また、単に発生数を比べるだけではなく、「もしパンデミックが起きなかった場合、どうなっていたか?」を統計モデルで予測し、実際のデータと比較するというアプローチをとっています。
さらに、感染症ごとの流行のしやすさや免疫の持続期間など、疾患特有の性質もシミュレーションに反映し、パンデミック下・解除後の社会で感染症がどのように振る舞ったのかを科学的に検証しました。


























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