死後10時間、摘出したブタ眼球はまだ光に反応した――特注装置で実現
死後10時間、摘出したブタ眼球はまだ光に反応した――特注装置で実現 / Credit:Canva
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死後10時間、摘出したブタ眼球はまだ光に反応した――特注装置で実現 (3/3)

2026.07.13 20:00:34 Monday

前ページブタの網膜は死後10時間経過しても光に反応する

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ヒトの眼球へ応用できるか?

ヒトの眼球へ応用できるか?
ヒトの眼球へ応用できるか? / Credit:Canva

では、この技術はヒトの眼球にも通用するのでしょうか。

チームは6名の提供者(ドナー)から両眼を取得し、片方の眼球にだけ灌流液を流すという比較実験を行いました。

その結果、灌流液を流した眼球では細胞の生存率がはっきりと高く保たれていました。

ヒトの眼球でも、少なくとも網膜の細胞については「流せば保てる」ことが確認されたのです。

ただし、ヒトの眼球ではブタで行ったようなへの応答実験は行われていません。

理由はシンプルですが、切実です。

ブタの実験では、眼球を取り出してからわずか30分以内に灌流液を流し始めることができました。

しかし今回の研究で使用されたヒトのドナー眼球は事情がまるで違います。

提供の意思確認や法的手続き、搬送にかかる時間を経て、チームの手元に届くのは死後6〜10時間が経ってからです。

しかも現在研究に使用できるのは、角膜移植の対象にならなかった高齢のドナー(66〜100歳)の眼球に限られています。

医療用途の臓器提供が最優先されるため、研究のための眼球は制度的に後回しになるのです。

ただ研究チームは、今回のブタでの成功を根拠に、より新鮮なドナー眼球を使う承認を得られる可能性が高まったと述べています。

もっとも仮に眼球を完璧に保存できたとしても、視神経を脳とつなぎ直す技術がなければ、移植しても「見える」ようにはなりません。

しかし、複数の研究チームがすでに視神経の再生に取り組んでいます。

パズルのすべてのピースが揃ったわけではありませんが、欠けていた最大のピースの一つを保存する技術が、形を見せ始めています。

いまこの瞬間も、あなたの目の奥で網膜は黙々と光を電気信号に変え続けています。

あれほど繊細で酸素の途絶に弱い網膜が、条件さえ整えばこれほど粘り強くもあれるのだとしたら、それは将来の網膜移植の希望になるでしょう。

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