たった1個で0.6ミリ! 魚の腸にすむ「細菌界の巨人」
細菌といえば、顕微鏡を使わなければ見えない、小さな生き物を思い浮かべるでしょう。
ところが、その常識からはみ出した仲間がいます。
エプロピシウムという細菌の仲間には、長さが約0.6ミリに達するものがいるのです。

これは小さな細菌が集まった塊ではなく、たった1個の細胞の大きさです。[3]
長さ0.6ミリといえば、1ミリ刻みの定規の目盛りの半分を超えます。
その大きさは、最初に見つかったとき、細菌とは別の生き物だと思われたほどでした。[2]
この「細菌界の巨人」は、主に熱帯の海に暮らすニザダイの仲間の腸で研究されてきました。
しかし、研究が魚に集中していたため、ほかの動物にもどれほど広がっているかは、よくわかっていませんでした。[1][3]
その手がかりになりそうなのが、世界中で蓄積されている腸内細菌のDNAデータです。

腸内細菌の研究では、便に含まれるDNAの一部を読み、その並び方から細菌の種類を調べます。
DNAを手がかりに、お腹の住人の「名簿」を作るような方法です。
一つ一つの細胞を育てて調べなくても、どんな仲間がいるのかをまとめて探れます。[1]
ただし、名簿に名前が載っても、その住人の身長まではわかりません。
それでも、この仲間のDNAがどの動物のデータにあるかを調べれば、実物を探す場所の見当はつけられます。
魚の腸で知られるこの仲間は、ほかの動物の腸にも広く暮らしているのでしょうか?




