人の便にも「巨大細菌の親戚」のDNA! 約54万件のデータを再解析

では、私たち人間の便にも、この仲間のDNAは見つかるのでしょうか?
答えを得るために研究者たちは、ヒトや動物の腸内細菌を調べた約54万件の公開データを解析しました。
このうちヒト由来のデータだけでも約25万件あり、83か国の研究資料が含まれていました。[1]
調べたのは、細菌の仲間を見分ける目印になる遺伝子です。
その並び方を、既知の細菌のDNAの並び方と照らし合わせると、エプロピシウムに分類されるDNAが見つかりました。
ヒトに加え、ヒト以外の哺乳類や鳥類など、幅広い動物のデータにも含まれていたのです。[1]
さらに、新たに得たヒトの便のDNAも加え、目印にした遺伝子を短い部分だけでなく全長で比べました。
比較できる部分を増やすことで、細菌どうしの近さを詳しく調べたのです。
そこから細菌の「家系図」を作ると、人の便のDNAは、エプロピシウムに近い複数のグループに入りました。
短いDNAの一致だけでなく、より長い範囲を比べても、この仲間とのつながりが見えたわけです。[1]
こうして、魚の腸で研究されてきた仲間が、私たちを含むさまざまな動物の腸にもいる可能性が示されました。
ただし、近い親戚だからといって、体の大きさまで同じとは限りません。
人の腸にも肉眼サイズの細菌がいると確かめるには、DNAの持ち主を実際に見る必要があります。[1]
この仲間のDNAの割合には、年齢や健康状態による違いもありました。
研究チームは、この仲間のDNAが見つかった試料だけを対象に、読み取った目印の遺伝子のうち、この仲間のものが占める割合を比べました。
すると、生後1年以内の乳児では、ほかの年齢層より割合が高くなっていました。
大腸がんなど一部の腸の病気がある人でも、健康な成人より高い割合が見られました。[1]
この仲間が腸内でどんな暮らしをしているのかを知るには、DNAだけでなく、その持ち主の姿も調べる必要があります。
では、この仲間のDNAが以前から記録されていたのに、その持ち主の姿が確かめられていなかったのはなぜでしょうか?




