知恵と孤独は逆相関関係に
ここまで聞くと「なんて暗い話だ」と気が沈んでしまいそうですが、一つだけ希望の光があります。ジェステ氏らは被験者に、”San Diego Wisdom Scale”という指標を用いた評価も実施。
この指標は、特定の脳領域と結びついた多数の中核領域を元にその人の「知恵」を測るものです。「知恵」とはすなわち、対人関係における向社会的態度、感情の統制、自己反省・自己理解、忍耐といった処世術を指します。
すると、知恵と孤独の間には強い逆相関があることが明らかになりました。つまり、知恵を身につけた人ほど孤独を感じにくいということ。知恵を形作る行動が、効果的に孤独に向き合う、またはそれを防ぐ役割を果たしているのでしょう。
ジェステ氏は、「孤独」という概念そのものを変える必要があると、強く訴えています。「孤独」とは、社会的に孤立していること自体を指すのではありません。「人は一人で居ても孤独を感じないことがある一方、集団の中に居ても孤独を感じることもあります。私たちは、人間同士が繋がり、より賢く生きるのに役立つ解決策や治療法を見つける必要があります」と、ジェステ氏は語っています。
人生に孤独はつきもの。人との関わりの中で、優しくたくましく生きていく賢さを身につけて、孤独とうまく付き合って行きたいですね。
referenced: sciencealert / written by まりえってぃ / edited by Nazology staff